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AMO NON AMO (2000 edition)
AMO NON AMO (Japan vhs)
amo non amo Original Title
AMO NON AMO
Japanese Title
アモ・ノン・アモ
Artist
GOBLIN
Release Year
1979
Personnel
CLAUDIO SIMONETTI: Tastiere
AGOSTINO MARANGOLO: Batteria e Percussioni
FABIO PIGNATELLI:
Basso e Chittarre Acustiche
collaborated with :
ANTONIO MARANGOLO: Tenor Sax on tr.04
CARLO PENNISI: Chitarre
Label(s)
Cinevox (Italy), SLC (Japan)
Musiche composte ed arrangiate dai GOBLIN
edizioni musicali BIXIO CEMSA
registrazione effettuata presso TRAFALGAR RECORDING STUDIOS di ROMA dal 12 al 27 dicembre 1978
tecnico del suono : GIORGIO AGAZZI
Introduction
モランテ脱退後のサントラワーク第1弾。LPのクレジットによれば、バンドの構成メンバーは、シモネッティピニャテッリマランゴーロの3人。ギターのペンニージとテナーのアントニオは客演と云う形での参加。アントニオアゴスティーノのマランゴーロ兄弟とは旧知の仲(と云うより実の従兄弟)のペンニージは、ここでもスッポリと収まっている感じ。ペンニージマランゴーロ兄弟の競演と云えば、ビートロックの"FLEA ON THE HONEY"、ヘヴィーロックの"FLEA"、硬派なインストの"ETNA"と云う3枚だが、メロウ系、ハード系、ファンク系を網羅するここでの競演も、さながら過去のバラエティー度を髣髴とさせる内容。
ドツボにはまった男女のシリアスな人生模様を描く映像の方は、女流映像作家アルメニア・バルドゥッチの監督デビュー作「ジャクリーン・ビセット/抱いて…」。絶頂期のジャクリーン・ビセット、マクシミリアン・シェル、テレンス・スタンプとメジャーな顔ぶれが集う作品ながらも、日本では劇場未公開のまま。元々は女優だった監督(脚本も兼任)のバルドゥッチだが、後年は、86年「首相暗殺」、93年"Giovanni Falcone"、02年「法王の銀行家/ロベルト・カルヴィ暗殺事件」など社会派問題作の執筆に携わる硬派な女性。
A面がサントラでB面がベストと云う構成の下、B面トップには、イタリアTVシリーズ"Sette storie per non dormire"のテーマ"YELL"を収録。以下、Suspiria、Zombi、Profondo Rossoと続くラインナップはかなり大味な選曲だったりもするが、トップの"YELL"が初モノで、しかも往年のテイストも満喫出来る新曲だったために、このB面は何度もターンテーブルに乗せた記憶が。ただ、何と云ってもタイトル以下の4曲がメイン。僅か4曲と云う小粒なサントラだが、何れのナンバーも面白い。後年、2種類のベスト盤でも陽の目を見るタイトル曲をはじめ、他の3曲もリマスター盤でリリースされるが、それらは全てミキシングが違う。センター寄りだったバランスを整然とパンする事で聴きやすくなった事も確かだが、オリジナル盤のミキシングも捨て難い。要は、オリジナル盤にも永久保存の価値があると云う事ですね。
Track Listings
Side A
1. AMO NON AMO (Marangolo-Pignatelli-Simonetti) 3:43

ゴブリンのキャリアでは屈指のバラード。ヴォリューム奏法のギターリフとマルチ鍵盤が奏でる哀愁のテーマはもとより、ノスタルジックなスキャットをフィーチャーするサビのパートも絶品。地中海を連想させる数点のパーカスとシンプルなタイコのコンビネーションもイイ。爽やかな大人のロマンスにもビッタシの一曲。ゴブリンのホラー以外のサントラなども聞いた事がなかった当時、この清涼感にはとにかくビックリ。と云うより、そもそもの衝撃はジャクリーン・ビセットがジャケを飾っていたと云う事で(笑)
2. MANIERA (Marangolo-Pignatelli-Simonetti) 5:09

ゴブリンらしからぬメロウなサウンドに驚かされたのも束の間、今度は完全予測外のヘヴィーな路線に絶句。と云うより、フツーのヘヴィーがフツーじゃなくなっている辺りが断然凄い。半拍遅れを仕掛けにするギターリフのイントロなども70-80年代の欧米ロックではごくフツーだが、やはりここでの立役者はタイコのマランゴーロ。ハットの刻みは16でも歴然とした8ビートのこの曲、マランゴーロを除く他の面々はヘヴィーの王道を行くプレイに終始しているが、ヘヴィーにはあるまじきキレの良さを披露するマランゴーロのプレイはかなりの異色度。ハイピッチなチューニングの時点でヘヴィーとは決別しているマランゴーロだが、何れにせよ、16分裏打ちでのハットのオカズやソリッドなパラディドルなど孤高のスタンスで大爆発。ゴブリンのキャリアの中でも貴重な1曲。
3. BOTH-TWO (Marangolo-Pignatelli-Simonetti) 4:36

タイトルナンバーに続くメロウ路線。と云うより、スーパーメロウな1曲。音楽の解説に詩的な表現を乱発するのは嫌いだが、このナンバーだけは例外。在りし日のノスタルジックな情景も鮮明に甦るメロウなトーンには、情緒を鷲掴みにされるかのよう。思春期の頃の想い出とリンクすれば、生涯の「マイソング」になる事も請け合い。楽曲的には、映画スコアのようなイメージ曲をヘッドアレンジで作曲すれば、こんな風になるのかなと云う感じ。タイコがライドとキックだけになる中、2拍目の裏で刻むタイトなベードラはなかなか効果的。フツーのコンビになるクライマックスに向けられた伏線になっているので。
4. FUNKY TOP (Marangolo-Pignatelli-Pennisi-Simonetti) 3:48

タイトル通りのファンキーな1曲。アントニオのテナーもフィーチャー。ピニャテッリのフレットレスやマランゴーロのソリッドなタイコもフツーに面白いが、ここでの主役は作曲にもクレジットされるペンニージ。スキャットも被るテーマのリフなどはさて置き、16刻みのミュートカッティングもフツーに巧いペンニージだが、これって実は、プログレの界隈では結構珍しい。当時、WRのジャコに触発されていたと云うピニャテッリが、スラップを頑なに拒絶している辺りも聴き所の一つ。ついては、スラップ的なギターリフも担うハメとなったペンニージだが、そんな折々に登場するスラッピーなギターリフも、他のゴブリンのナンバーでは体験出来ない貴重な音だったりする。
Side B
1. YELL (Marangoro-Pignatelli) 3:40

国営放送のTVプログラム"Sette storie per non dormire"のテーマ曲。78年暮れの録音だった本作"AMO NON AMO"とほぼ同時期だったとされる録音時期だが、シングルのリリースが78年だった事から察すれば、これは"AMO NON AMO"に取り掛かる直前の録音。リマスターシリーズのインサーツによれば、全面的にフィーチャーされる鍵盤はアントニオのプレイ。シモネッティが不参加だったのも恐らくは"EASY GOING"もしくは他のセッションとバッティングしていたため。曲の方は、移調を繰り返す中、クワイヤ音色のメロトロンや短3度で行き来する無機質なシンセが真骨頂の1曲。イントロではお馴染みのティンパニも登場。アカデミックなオルガンの分散フレーズも絶品。曲の開始直後、日本人なら能楽のようなイメージが反射的に過ぎるのかも。

以下、ベスト選曲のトラックは、各オリジナル盤ページにも記載。
2. SUSPIRIA (Marangolo-Morante-Pignatelli-Simonetti) 5:57

歌詞カードに起こされても困るような不気味なスクリプトは、シモネッティのパフォーマンスによるウィスパリング。シモネッティの談話によれば、1500~1600年代のラテン歌詞付きの旋律をモチーフにしたと云う楽曲だが、そのモチーフとなったアイディアを寄稿したのは、アイリーン・マラテスタと云うチネヴォックスのプロモーションに携わっていた事もあるギリシャ人女性。アルジェントが中世の魔術的なエッセンスの漂う古代の音楽をリサーチしている事を聞きつけたアイリーンは、その「木の上の3人の魔女」"Le tre streghe sull'albero" ("Three witches on a tree")と題されたラテン歌詞付きの旋律をプロダクションに冗談半分で送り付けるが、一方のアルジェントはフィルムのコンセプトにもリンクすると深く感銘、太鼓判が押された事でゴブリンの面々にGOサインが出されたものだった。

チェレスタの1度(8va)/5度/1度の分散を除けば、DEFA/GFG休/FGAD/D♭D♭D休(4/4で4小節分)と云うベル音のトップだけになるテーマのリフだが、恐らくは「木の上の3人の魔女」と云うモチーフもそんな童謡のような単旋律のリフに乗せて歌われていた素材だったのかも。そんな親しみやすいイージーなリフとお化け屋敷のようなワクワク緊張感が融合すれば爆発的な知名度を得たのも然るべきと云った所だが、そんな中でもなかんずくでの個性を演出していたのは、ギリシャの弦楽器ブズキやインドの打楽器タブラなどのマイナーな楽器。民俗音楽でプレイされるブズキやタブラのサウンドなどは、それぞれフツーに聞き流せばどこまでもフツーの楽器だが、ワールドワイドなサントラ音楽にひょっこり登場するブズキの場合「判別不能な楽器=謎のサウンド」と云う直感的なイメージに連結、一方のタブラの方は不気味な残響処理が功を奏する形で異彩を放っていた。

個人的にもこのテーマ曲には絶句させられたが、その理由と云うのも序盤と終盤のテーマのリフなどではなく、ダイナミックな中間部があまりにカッコ良すぎたため。ソリッドな2拍3連が炸裂する中間部のダイナミズムには手放しで卒倒させられた。しかもこのパート、Dmでの一発勝負。マイナートライアドのワンコードながらも、アタックの鈍いメロトロンによるチャーチなサウンドも大きな魅力。フィルムではエンドクレジットの炎上シーンで挿入されていたが、終わり良ければ全て良しと云う事で映画の方に惚れ込んでしまったのもそんな理由を経ていたから。この「サスペリア」は中学生の時に観た作品だったが、あの劇場でのエンドクレジットの衝撃は今なおもフリーズされたまま。
3. ZOMBI (Marangolo-Morante-Pignatelli-Simonetti) 4:24

16分のキックとティンパニから続く展開はフツーの4/4。となれば、ポリ鍵盤(k)とティンパニ(t)のお囃子的なテーマフレーズは、kkkk/t//kkkd/tkkk/kkk/(全部16分割。スラッシュは16分休符。"t"の箇所は、ティンパニだけになる音符)と云う11/8拍子。1曲目と同様、基本的にはコンボスタイルの楽曲ながらも、パーカスのエッセンスはロックバンドの域を超越。メロトロンのクワイヤ+アフリカナイズされたパーカスが映像のモチーフを如実に代弁。と云うか、云われなくてもブードゥーなホラー映画なんだなと気付かされるジャストフィットな曲。
4. PROFONDO ROSSO (Simonetti-Morante-Pignatelli-Martino) 3:43

云わずと知れた大ヒットスコア。ガットG+チェレスタによるイ短調ダイアトニックの分散リフ、1万5千本のリードを備えた荘厳なチャーチ・オルガンとアグレッシヴなリズムが融合する1曲。スポットで登場するアナログリヴァーブ仕様のミニムーグも、ゴシック的な基本イメージの特異なアクセントに。ゴシックの様式美とシンプルさを売りにする永遠の名曲。この手のサウンドが欧州のポップチャートを席捲したと云うのも、「エクソシスト」で脚光を浴びたオールドフィールドのTBの余韻も覚めやらなかった当代ならではの事。ダイアトニックの分散リフが潜在的にある種のトレンドのように捉えられていた時代ならではの現象だった事にも違いはないが、それにしても、訴訟にまで発展すると云うのも如何なものか。この曲、全くのオリジナルなので。

この曲のモチーフは僅かに2つ。AAEAADAACAGBBF(7/4拍子。全て8分割)+AAEAADAACAGBBFCF(8/4拍子。全て8分割)と云う2小節でワンセットの全編の大半を占めるモチーフと、序盤と終盤に登場するAm/Em/D/E(4/4拍子。全て2分割でAをルートにするトライアド)の4小節をリピートする8小節のテーマだけ。ちなみに、チャーチオルガンのメロが登場する中盤のパートも、7/4拍子と8/4拍子でワンセットの最初のモチーフにメロ(ABGGbCD#E)を付けただけ。厳密に言えば、これら2つのモチーフをつなぐ3/4拍子3小節(F/C/F)のブリッジも登場するが、基本的には2つのモチーフだけで構築されたイ短調のシンプルな旋法だったと云う事。要は、このブルースよりもシンプルな旋法が訴訟問題になるとすれば、作曲は商売として成立しなくなると云う話。ちなみに、7/4拍子と8/4拍子がワンセットの全て8分割のモチーフも、"Tublar Bells"とは全くの別モノ。異なる系列の拍子を循環させる中でのアルペジオのアイディアが模倣だと騒がれた日には、これまた作曲ビジネスは成立しなくなる事に。後年、サスペリアの"Markos"でも似たような問題が起きているが、これってマジでつまらない話。と云うか、あまりに低次元。音楽には造詣も深くない民事関係者を交えての論争など全く想像出来ないが、何れにせよ、この"Profondo Rosso"と"Markos"の場合、問題視されたチネヴォックス側が逆に慰謝料取れるようなケースだったと云う話。
個人的には、イタリアのボンジョヴァンニと云うサントラショップからゲットしたこのLP、既に所有していた"ROLLER"と"PROFONDO ROSSO"の伊盤以外なら何でもと云う大味なコメントと大味な金額を為替送金してのオーダーだったが、1980年のある日、船便で届けられた荷物の中身は、本作"AMO NON AMO"と"SQUADRA ANTIGANGSTERS"、"PATRICK"、日本盤のみでの所有だった"SUSPIRIA"と"ZOMBI"と云う総勢5枚のLP。注文から約半年も経過したある頃いきなり船便が届けられる中(大爆)、飛び出す絵本のようなサスペリアのインナーや、ゴブリンのステージ写真入だった伊盤のゾンビ、本作も含む聞いた事もないタイトルのLP3枚を前に当たり前のように狂喜したが、感激に浸るあまりに、時間が迫っていた英検2級の2次試験の会場に遅刻、会場入りを拒否されると云うオマケな想い出も。
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