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ZOMBI - DAWN OF THE DEAD (1998 edition)
ZOMBIE - DAWN OF THE DEAD (Cinema)
Zombi Original Title
ZOMBI
Japanese Title
ゾンビ
Artist
GOBLIN
Release Year
1978
Personnel
CLAUDIO SIMONETTI: Piano, Synthesizers, Organ, Mellotron, Viola
MASSIMO MORANTE: Guitars, Viola
FABIO PIGNATELLI: Bass, Acoustic Guitar
AGOSTINO MARANGOLO: Drums, Percussion
ANTONIO MARANGOLO: Tenor Saxophone on tr.09
MAURIZIO GUARINI: (uncredited) (undefined)
Label(s)
Cinevox (Italy), Polydor (France and Germany)
Varese Sarabande (USA), King (Japan), etc
Recorded by Giorgio Agazzi at Trafalgar Recording Studios, Rome 1978
Music composed and peformed by GOBLIN in collaboration with Dario Argento
Introduction
サスペリア」で大成功を収めた後、"LA VIA DELLA DROGA"や"SOLAMENTE NERO"などに続く劇場長編の仕事として取り組んだのが本作「ゾンビ」。仕掛人は、イタリア公開版(ユーロカット)のイニシアティヴを握ったアルジェント。監督も米国人のジョージ・A.ロメロで、全米はもとよりワールドワイドな配給作品と云う背景の下、バラエティにも富んだアカデミックな楽曲群がバンドのモチベーションの高さを象徴。一方、イタリア著作者出版社協会(SIAE)に保護されたバンドの著作権が認められなかった米国では、実に7000万ドルと云う興行収益だったにも拘らず、一切の印税を取れなかったと云う信じ難い話も。
本作「「ゾンビ」の制作時期は、「マークの幻想の旅」とジョルジョ・ファリーナの"DISCOCROSS"での覆面セッションを経ての78年。世界に先駆けて公開されたイタリアでの本作の公開日が78年9月2日だった事を踏まえれば、その録音は少なく見積もっても数ヶ月前の春頃(アルバムには詳細のクレジットがなかった)。76年の「ローラー」に続く2作目にして最後のパーマネントアルバムとなった「マークの幻想の旅」だが、その「マークの幻想の旅」の制作時期を本作の後とする解釈もあるようだが、77年9月12日〜12月20日の録音だったマークの幻想の旅」が、78年の「「ゾンビ」に続く録音だったと云う話もあり得ない。ちなみに、「ゾンビ」の録音に取り掛かるまでの78年序盤は、サンレモ(音楽祭ではない)でのギグを始めとする「マークの幻想の旅」のプロモーションも行われている。
そんな録音時期の誤認解釈と云うのも、恐らくは、イタリア語で行われたシモネッティのインタヴューの「英語訳」の最中に生じた微妙な解釈違いによるもの。「マークの幻想の旅」がゴブリンでの最後の仕事だったのか?と云う質問に対する英訳での回答は、"Yes, it was. It has also been the last work in which our real feelings and sentiments are shown."と云うものだが、恐らくこれは、"It has also been"と云うセンテンスを曲者とする英訳の時点で発生した微妙な解釈のズレ。要は、感情をぶつけ合えるような創作活動も「マークの幻想の旅」の仕事が最後だったと云う回答が「バンドでの最後の仕事」と云うニュアンスで解釈されていたと云う事。77年の録音だったとする「マークの幻想の旅」の公式クレジットはもとより、78年12月12日〜27日に録音された"AMO NON AMO"や翌79年の"SQUADRA ANTIGANGSTERS"にシモネッティが参加していたと云う動かし難い事実も存在する。
そんな一連の経緯を踏まえれば、「マークの幻想の旅」のプロモに失敗しながらも、ジョルジョ・ファリーナの"DISCOCROSS"での覆面セッションも経て、スキル面での連携は良好な状態に保たれていた中で録音されていたはずの本作だが、映像ありきのコンセプトを貫くそれぞれの収録曲には「アルバム」を形成するピースとしての一貫性には程遠いものの、それぞれを噛み砕けばそのどれもが面白い。ちなみに、似通ったモチーフなどを一つとカウントするのであれば、劇中でフィーチャーされる楽曲の多さでもキャリア随一だったのが本作「ゾンビ」。本作のリリースを経てソロ活動に突入するオリジナルメンバーのモランテだが、そんな草々の時期からバンドを支えたギタリストの実質70年代最後の参加作品(SQUADRA ANTIGANGSTERSでは1曲だけ参加。)と云う辺りも注視すべき所。以下、作曲は全てバンド名義。カッコ内のタイトルは、米盤リリース当時の英訳タイトル。
Track Listings
01. L'ALBA DEI MORTI VIVENTI (Dawn of the Dead) ゾンビ/メインテーマ 6:04

タイトなスネア+ハット+キック+ティンパニ、クワイヤ(Mellotron)+ストリングス(Logan)+フランジャーがかったシンセ、エレベによるスローな4/4が12刻みで繰り返される中、WRのブラック・マーケットのようなアンニュイなモノシンセの音色が印象的なテーマ曲。基本的にはコンボスタイルのスタンスを貫く楽曲ながらも、全編に挿入される「サスペリア」でもお馴染みのティンパニはもとより、展開部ではBellTreeを使用、その2コーラス目でようやくモランテのディストーションをフィーチャーするなど、コンボである事の傍らでは本題の映像を踏まえての高いプロ意識も伺える。ユーロカットではオープニングを飾るナンバー。ちなみに、USカットのオープニングで使用されたのは、後年の完全版で陽の目を見る「オルタネートヴァージョン」の方。
02. ZOMBI (Zombie) ゾンビ 4:24

16分のキックとティンパニから続く展開はフツーの4/4。となれば、ポリ鍵盤(k)とティンパニ(t)のお囃子的なテーマフレーズは、kkkk/t//kkkd/tkkk/kkk/(全部16分割。スラッシュは16分休符。"t"の箇所は、ティンパニだけになる音符)と云う11/8拍子。1曲目と同様、基本的にはコンボスタイルの楽曲ながらも、パーカスのエッセンスはロックバンドの域を超越。メロトロンのクワイヤ+アフリカナイズされたパーカスが映像のモチーフを如実に代弁。と云うか、云われなくてもブードゥーなホラー映画なんだなと気付かされるジャストフィットな曲。ユーロカットではさまざまなシーンで登場するナンバーだが、USカットでの挿入は、モールでのハンティングを終えた主要キャストが階上の部屋に戻るシーンとバイカーの一団がモールに雪崩れ込むシーンの2箇所のみ。
03. SAFARI 死人狩り 2:11

当初は、アーカイヴ素材なのかなと思わされたほど。シャウトする辺りはネイティヴの真似にも聞こえるが、アフリカンなスキャットとパーカスのアンサンブルは文句なし。それにしても、これを敢えて吹き込んだと云う辺りがこの仕事でのモチベーションを物語る。ユーロカットでもピンスポット(銃器を調達するシーン)でしか使用されなかったのは只々残念。ちなみに、USカットでは挿入されず。後年、シモネッティDAEMONIAサントラの全カヴァーを試みた際には最も楽しみにしていたナンバーだったが、デモニアのカヴァーに原曲の面影がなかったのは、この原曲に因んだオリジナルを挿入していたため。
04. TORTE IN FACCIA (Pie in Face) 狂気の一団 1:57

ホンキートンクな鍵盤+タイコ+パーカスによるC&W。ルナティックな効果を狙ったピアノも然る事ながら、菜ばしのようなバチでリム打ちしているようなパーカスも面白い。ユーロカットの劇中ではおぞましいゾンビたちの滑稽な姿にリンクさせていた曲だが、そんなウィットもロメロには伝わらなかったのかUSカットでは挿入されず。後年のデモニアのカヴァーも結構面白い。
05. AL MORGINI DELLA FOLLIA (Edge of Madness) 彷徨う死人 1:32

宇宙空間的なシンセ音シークエンスのルーティンだけを抜き出せば、正しく往年のテレビゲームのような曲だが、ここでの主役はエフェクト効果も抜群の16分割り3連シンコペのマリンバのサウンド。ティンパニが顔を出す辺りでは、"PROFONDO ROSSO"の挿入曲「ワイルド・セッション」のイントロを髣髴とさせる。
06. SARATOZOM (Shriek) サラトゾム 3:36

スネアの6連シンコペのオカズもゴキゲンなシャフルナンバー。ロックと呼べるようなナンバーも皆無に近い中、いきなりのシャフルは嬉しい限りだったが、購入当時は正直、ウエストコースト的なサウンドには戸惑った。しかも、リードもサイドもモランテだけで、シモネッティは3連のシークエンスのみでの参加。ただ、この辺りがこのアルバムの真骨頂。米大陸の閑散とした界隈を舞台にするシナリオだった事を考慮すれば、恐らくは、サザンなフィーリングのアメリカナイズされたサウンドこそがこの曲のそもそもの狙い。オルガンなどで厚みを増せば、その印象もガラリと変わる。これも偏にフィルムを想定してのバンドのプロイズムと云った所。ただ、面白かったのは、ユーロカットではエンディングを飾りながらも、肝心のUSカットでは無視されていたと云う事。後年のデモニアのカヴァーは、アカデミックなポリリズムの仕掛けがメチャクチャイケてる。
07. LA CACCIA (The Hunt) 追跡 3:38

2曲目「ゾンビ」の11/8モチーフ、劇的なティンパニ、アコギをフィーチャーする7/8モチーフなど、如何にもな調子のサントラスコア。モランテのディストーション全音符がイイ感じ。ユーロカットでは数箇所で登場するナンバーだが、USカットでの挿入は、トラックのシーンと主要キャストがガンベルトを身に纏うハンティングのシーンのみ。
08. TIRASSEGNO (Target Shooting) ひとときの幸福 2:51

元々がギター奏者だったピニャテッリのアコギやモランテのボトルネックもゴキゲンなC&W。ユーロカットでは"Target Shooting"と云う英語タイトルそのままのシーンで挿入される曲だが、やはり、ヴィオラも絶好調なC&Wとゴブリンのイメージにはかなりのギャップが。しかも、ヴィオラのインプロまでが登場。公開当時の米版サントラによれば、ヴィオラをプレイしているのはシモネッティモランテだったとの事。確かにボトルネック+ヴィオラ2本での計3本ユニゾンのようにも聴こえるリードインストだが、何れにせよ、多彩でアカデミックだったと云う事で。ちなみに、モノホンのC&Wが使用されるUSカットではこのトラックは挿入されず。
09. OBLIO (Oblivion) 忘却 5:13

PF「狂気」B面のようなイメージの1曲。サム・テイラーを髣髴とさせるムードナンバーだが、各インストがメロを交換するテーマ構成は何より絶品。アントニオのテナーで幕を下ろす終盤だが、ここまで長丁場のソロがフィーチャーがされるのも、この筋のキャリアでは初めてだったはず。それにしても、山積になったゾンビの死体処理シーンでこのナンバーが挿入されたのには驚いたが、意外な事にも場面のイメージにもジャストフィット。と云うか、ゾンビの「死体」ってのも何気にヘンな話だが。ちなみに、このトラックもUSカットでは使用されず。
10. RISVEGLIO (Awakening) 最後の微笑み 1:04

シモネッティ自身が最高傑作の一つと評するピアノソロ。インタヴューによれば、父エンリコの楽曲にインスパイアされたとの事。悲しみや悲観的なイメージをテーマにしていたと云う話だが、そんなテーマの冒頭は、Dを分母にするE♭メジャーのトライアド分散。噛み砕いて云えば、マイナーなアプローチとは決別しながらも、悲壮感の表現にも成功している傑出した楽曲。基本的にはA/A´/B/Aと云う構成の中でテーマのモチーフが3回繰り返されているが、何とそのサイズも約1分間。長短それぞれの3度で駆け下りるクライマックスのフレーズもかなりスリリング。稀代のセンスが光る非凡な楽曲。
Zombi - stage photo
周知の通り、イタリア盤オリジナルLPのジャケ裏デザインでも有名なゴブリンのステージフォトだが、この写真に特別な思い入れのあるファンの方々も少なくないはず。斯く云う自分もその一人。と云うのも、オリジナル盤がリリースされた当時は唯一のステージ写真だったため。後にリリースされるベスト盤LPの背面では別アングルの写真がデザインされているが、78年当時と云えば、マジでこの1枚が虎の子のアイテムだった。「マークの幻想の旅」のバグキャラが薄っすら見えるステージレイアウトにはワクワクさせられる一方、半身構図のモランテシモネッティはやや残念だったが、何より嬉しかったと云えば、「ローラー」などのクレジットでも明らかにされていたシモネッティのプレイするローズのタイプが、ステージマークU(シンセが上に載せられているからマークTじゃない)だったと判別出来た事。動くバンドの映像、と云うか、ホームビデオなどもなかった当時は、たった1枚のステージ写真にも甚大な価値があった。
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