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GOBLIN - PROFONDO ROSSO (1975) Soundtrack
GOBLIN - SUSPIRIA (1977) Soundtrack
GOBLIN - IL FANTASTICO VIAGGIO DEL 'BAGAROZZO' MARK (1978)
GOBLIN - YELL (1978) Soundtrack
GOBLIN - PATRICK (1979) Soundtrack
GOBLIN - ZOMBI (1978) Soundtrack
GOBLIN - AMO NON AMO (1978) Soundtrack
GOBLIN - SQUADRA ANTIGANGSTERS (1979) Soundtrack
GOBLIN - ROLLER (1976)


Goblin - Greatest Hits 1979 Original Title
GREATEST HITS
Japanese Title
none
Artist
GOBLIN
Release Year
1979
Personnel
CLAUDIO SIMONETTI: Keyborads
MASSIMO MORANTE: Guitars
FABIO PIGNATELLI: Bass
AGOSTINO MARANGOLO: Drums
MAURIZIO GUARINI: Keyboards (6,10)
ANTONIO MARANGOLO: Saxophone (3)
WALTER MARTINO: Drums (1)
CARLO PENNISI: Guitars (6,8,9)
Label(s)
Cinevox (Italy)
Tutti i brani contenuti nel CD sono tratti delle colonne sonore originali di film,
composte ed esequite dai GOBLIN
Introduction
75年の"PROFONDO ROSSO"から79年の"PATRICK"まで7枚のアルバム(+シングルリリースのみの"YELL")から著名曲を集めたその名の通りのグレートなべスト盤。と云うか、ゴブリンの「ベスト盤」と云うのもリリース当時は違和感もあったが、よくよく考えてみれば、モリコーネやマンチーニの場合でもベストアルバムのリリースは定石の世界。タイトルソング中心の選曲はコアなファンには物足りなかったはずだが、要は、ゴブリンの名前もプログレファンが独占出来るようなものではなくなっていたと云う事。新宿の各店頭に「ベスト盤」のアナログ盤が並べられていた光景はいまだに忘れられない。
何より目を奪われたと云えば、この裏ジャケのステージフォト。オリジナル盤「ゾンビ」の裏ジャケと同一のステージを別アングルで捉えたフォトだが、これには手放しで狂喜乱舞。日本でのバンドお披露目となった77年から足掛け3年、ステージの写真も僅かに2枚だったので。外タレのステージ写真1枚にワクワクするようなこのミーハー感覚、平成生まれの世代には分からないと思うけど(笑)
Goblin - Greatest Hits (Rear photo)
Track Listings
01. PROFONDO ROSSO dal film omonimo 1975 (Simonetti-Morante-Pignatelli-Martino) 3:46

云わずと知れた大ヒットスコア。ガットG+チェレスタによるイ短調ダイアトニックの分散リフ、1万5千本のリードを備えた荘厳なチャーチ・オルガンとアグレッシヴなリズムが融合する1曲。スポットで登場するアナログリヴァーブ仕様のミニムーグも、ゴシック的な基本イメージの特異なアクセントに。ゴシックの様式美とシンプルさを売りにする永遠の名曲。この手のサウンドが欧州のポップチャートを席捲したと云うのも、「エクソシスト」で脚光を浴びたオールドフィールドのTBの余韻も覚めやらなかった当代ならではの事。ダイアトニックの分散リフが潜在的にある種のトレンドのように捉えられていた時代ならではの現象だった事にも違いはないが、それにしても、訴訟にまで発展すると云うのも如何なものか。この曲、全くのオリジナルなので。

この曲のモチーフは僅かに2つ。AAEAADAACAGBBF(7/4拍子。全て8分割)+AAEAADAACAGBBFCF(8/4拍子。全て8分割)と云う2小節でワンセットの全編の大半を占めるモチーフと、序盤と終盤に登場するAm/Em/D/E(4/4拍子。全て2分割でAをルートにするトライアド)の4小節をリピートする8小節のテーマだけ。ちなみに、チャーチオルガンのメロが登場する中盤のパートも、7/4拍子と8/4拍子でワンセットの最初のモチーフにメロ(ABGGbCD#E)を付けただけ。厳密に言えば、これら2つのモチーフをつなぐ3/4拍子3小節(F/C/F)のブリッジも登場するが、基本的には2つのモチーフだけで構築されたイ短調のシンプルな旋法だったと云う事。要は、このブルースよりもシンプルな旋法が訴訟問題になるとすれば、作曲は商売として成立しなくなると云う話。ちなみに、7/4拍子と8/4拍子がワンセットの全て8分割のモチーフも、"Tublar Bells"とは全くの別モノ。異なる系列の拍子を循環させる中でのアルペジオのアイディアが模倣だと騒がれた日には、これまた作曲ビジネスは成立しなくなる事に。後年、サスペリアの"Markos"でも似たような問題が起きているが、これってマジでつまらない話。と云うか、あまりに低次元。音楽には造詣も深くない民事関係者を交えての論争など全く想像出来ないが、何れにせよ、この"Profondo Rosso"と"Markos"の場合、問題視されたチネヴォックス側が逆に慰謝料取れるようなケースだったと云う話。
02. WITCH dal film "Suspiria" 1977 (Marangolo-Morante-Pignatelli-Simonetti) 3:10

ティンパニの残響処理、オバチャン的な生ヴォイスとメロトロンのクワイヤ、フランジャーがかった低音レンジでのユニゾンなど、過去のホラー系サントラでもここまでヴィヴィッドなインパクトと云うのも記憶にない所。リフのユニゾンを奏でるベルツリーなども実に効果的。隣近所に聞こえる音量で鳴らすには抵抗を覚える曲だが、これって実は、ステージで再現してみてもインパクトがあるスコアなのかも。シェークスピアのイメージにもリンクするのだが。
03. ......E SUONO ROCK dal film "Wampir" 1978 (Marangolo-Morante-Pignatelli-Simonetti) 4:37

dal film "Wampir"と云うクレジットは、ロメロの監督作品「マーティン」で使用されていたため。曲の方は、その名の通りロック魂が炸裂するハードな1曲だが、絶叫と呼ぶにもややメロウなスキャットをフィーチャーするパートをテーマとするなら、実にイントロだけで曲の半分を消化。そんな定石を度外視する楽曲の構成も、ドラッグ漬けになる主人公のサイケな末路にはジャストフィットしているようにも思えるが、何れにせよ、これはロックを語るナンバーとしてはかなりの異色度。そんな異色のイントロを彩るアントニオのサックスも、アカデミックな一方では掴み所のないフレーズのオンパレード。無機質な16分割のシークエンスも当時としてはかなり印象的。ハモンドとギターの畳み掛けるソロの直後、不意を突くようにいきなり終わる中途半端なクライマックスもたまらなくプログレッシヴ。
04. YELL sigla della serie televisiva 1978 (by Marangoro-Pignatelli) 3:40

国営放送のTVプログラム"Sette storie per non dormire"のテーマ曲。78年暮れの録音だった"AMO NON AMO"とほぼ同時期だったとされる録音時期だが、シングルのリリースが78年だった事から察すれば、これは"AMO NON AMO"に取り掛かる直前の録音。リマスターシリーズのインサーツによれば、全面的にフィーチャーされる鍵盤はアントニオのプレイ。シモネッティが不参加だったのも恐らくは"EASY GOING"もしくは他のセッションとバッティングしていたため。曲の方は、移調を繰り返す中、クワイヤ音色のメロトロンや短3度で行き来する無機質なシンセが真骨頂の1曲。イントロではお馴染みのティンパニも登場。アカデミックなオルガンの分散フレーズも絶品。曲の開始直後、日本人なら能楽のようなイメージが反射的に過ぎるのかも。
05. SUSPIRIA dal film omonimo 1977 (Marangolo-Morante-Pignatelli-Simonetti) 6:00

歌詞カードに起こされても困るような不気味なスクリプトは、シモネッティのパフォーマンスによるウィスパリング。シモネッティの談話によれば、1500〜1600年代のラテン歌詞付きの旋律をモチーフにしたと云う楽曲だが、そのモチーフとなったアイディアを寄稿したのは、アイリーン・マラテスタと云うチネヴォックスのプロモーションに携わっていた事もあるギリシャ人女性。アルジェントが中世の魔術的なエッセンスの漂う古代の音楽をリサーチしている事を聞きつけたアイリーンは、その「木の上の3人の魔女」"Le tre streghe sull'albero" ("Three witches on a tree")と題されたラテン歌詞付きの旋律をプロダクションに冗談半分で送り付けるが、一方のアルジェントはフィルムのコンセプトにもリンクすると深く感銘、太鼓判が押された事でゴブリンの面々にGOサインが出されたものだった。

チェレスタの1度(8va)/5度/1度の分散を除けば、DEFA/GFG休/FGAD/D♭D♭D休(4/4で4小節分)と云うベル音のトップだけになるテーマのリフだが、恐らくは「木の上の3人の魔女」と云うモチーフもそんな童謡のような単旋律のリフに乗せて歌われていた素材だったのかも。そんな親しみやすいイージーなリフとお化け屋敷のようなワクワク緊張感が融合すれば爆発的な知名度を得たのも然るべきと云った所だが、そんな中でもなかんずくでの個性を演出していたのは、ギリシャの弦楽器ブズキやインドの打楽器タブラなどのマイナーな楽器。民俗音楽でプレイされるブズキやタブラのサウンドなどは、それぞれフツーに聞き流せばどこまでもフツーの楽器だが、ワールドワイドなサントラ音楽にひょっこり登場するブズキの場合「判別不能な楽器=謎のサウンド」と云う直感的なイメージに連結、一方のタブラの方は不気味な残響処理が功を奏する形で異彩を放っていた。

個人的にもこのテーマ曲には絶句させられたが、その理由と云うのも序盤と終盤のテーマのリフなどではなく、ダイナミックな中間部があまりにカッコ良すぎたため。ソリッドな2拍3連が炸裂する中間部のダイナミズムには手放しで卒倒させられた。しかもこのパート、Dmでの一発勝負。マイナートライアドのワンコードながらも、アタックの鈍いメロトロンによるチャーチなサウンドも大きな魅力。フィルムではエンドクレジットの炎上シーンで挿入されていたが、終わり良ければ全て良しと云う事で映画の方に惚れ込んでしまったのもそんな理由を経ていたから。この「サスペリア」は中学生の時に観た作品だったが、あの劇場でのエンドクレジットの衝撃は今なおもフリーズされたままだったりする。
06. PATRICK dal film omonimo 1979 (Marangolo-Pignatelli-Pennisi) 4:24

神経を逆撫でされる蚊の鳴くようなノイズが良くも悪くも印象的。キックとベースを3拍目のアクセントにするフツーの4/4のようにも聴こえる序盤だが、途中で再開する16分刻みのハットを基準にカウントすれば、次のキックとベースのアクセントは4拍目の裏。キックが4分刻みになる辺りで半拍ズレると云う事は、フツーの4/4ではなくブリッジの小節も挿入された変拍子だったと云う事だが、要はそんな拍子の構成なども、8分割りになるパートで大団円を迎える為のギミック。そんな構成などはさて置き、何より注視させられたのは、アンサンブルとしての遊びが全く無い事。いわゆるリフレイン的なプレイが一切ない。漠然とした絵コンテなどを参照にすれば、即興的なリフレインの一つや二つは当たり前のように挿入されるが、映像イメージの具現化を試みるここでは皆無だったと云う事。アルバムと云うより、この仕事での方向性が如実に示唆されている。ちなみにこの曲、映像タイトルと同名のトップナンバーだが、イタリア公開版映像で冒頭テーマとして使用されるのは、4曲目の"Visioni"。このトラックが劇中で挿入されるのは、寝たきりのパトリックに対するフラッシュライトでの反応テストを試みるシーン。
07. ZOMBI dal film omonimo 1978 (Marangolo-Morante-Pignatelli-Simonetti) 4:25

16分のキックとティンパニから続く展開はフツーの4/4。となれば、ポリ鍵盤(k)とティンパニ(t)のお囃子的なテーマフレーズは、kkkk/t//kkkd/tkkk/kkk/(全部16分割。スラッシュは16分休符。"t"の箇所は、ティンパニだけになる音符)と云う11/8拍子。1曲目と同様、基本的にはコンボスタイルの楽曲ながらも、パーカスのエッセンスはロックバンドの域を超越。メロトロンのクワイヤ+アフリカナイズされたパーカスが映像のモチーフを如実に代弁。と云うか、云われなくてもブードゥーなホラー映画なんだなと気付かされるジャストフィットな曲。
08. AMO NON AMO dal film omonimo 1979 (Marangolo-Pignatelli-Simonetti) 3:45

ゴブリンのキャリアでは屈指のバラード。ヴォリューム奏法のギターリフとマルチ鍵盤が奏でる哀愁のテーマはもとより、ノスタルジックなスキャットをフィーチャーするサビのパートも絶品。地中海を連想させる数点のパーカスとシンプルなタイコのコンビネーションもイイ。爽やかな大人のロマンスにもビッタシの一曲。ゴブリンのホラー以外のサントラなども聞いた事がなかった当時、この清涼感にはとにかくビックリ。と云うより、そもそもの衝撃はジャクリーン・ビセットがジャケを飾っていたと云う事で(笑)
09. DISCO CHINA dal film "Squadra Antigangsters" 1979 (Marangolo-Pennisi-Pignatelli-Simonetti) 3:57

中華ペンタを真骨頂にする鋭角な8ビートナンバー。ピニャテッリのみならずペンニージもジョイントするオクターヴスラップのユニゾンをフィーチャーするイントロも面白い。テーマがマリンバと云う辺りも特徴的。コードワークやリフを奏でるエレピも然る事ながら、メインの鍵盤をロガンストリングス1台で済ませてしまうシモネッティのプレイは何気に合理的。劇中では、主人公コンビがNYチャイナタウンに出向くシーンで登場。「コットンクラブ」「フィフス・エレメント」「16ブロック」など後年さまざまなメジャー作品に出演するキム・チャンも店のオヤジ役で顔を出すシーンだが、このワンシーンのみに登場する中華系の女優さんはかなりの美形。トマス・ミリアンも鼻の下を伸ばしてましたね。
10. ROLLER dal film "Wampir" 1978 (Morante-Simonetti) 4:38

dal film "Wampir"と云うクレジットは、ロメロの監督作品「マーティン」で使用されていたため。"PROFONDO ROSSO"と酷似する曲と云う声なども多々耳にさせられたタイトルナンバーだが、6度(A#)だけナチュラルのEのフリジアン(Eのドリアン♭2とも解釈できるが)とフツーのフリジアンを14/8と15/8拍子(纏めてしまえば)で繰り返す分散リフは、Aマイナーのダイアトニック(Aのエオリア)一発の分散で勝負していた"PROFONDO ROSSO"とは何から何までもが別モノ。と云うか、分散リフでのアプローチに類似性は垣間見れるものの、エキゾチックな響きにコンセプトを置く演り手の意図も全く違う純粋な新作だったと云う話。西新宿でカナダ盤のLP(見開きジャケじゃなかった)をゲットした当時、これはかなりの衝撃だった。オリジナル版のジャケットが見開きだった事に気付いた後年には、別の意味での衝撃も受けたけど(笑)。ちなみに、アナログLPはもう手元には無い為にハッキリとは覚えていないが、カナダ盤のLPは、伊盤で云えば見開き右側のデザインをジャケット裏面に移動、イラストやロゴフォントなどはそのままでイタリア語の部分が英訳された手の込んだデザインだったような記憶も。スキルを披瀝するような事もなくエキゾチックでメロウに終始するナンバーながらも、それぞれの個性も寸鉄で炸裂。名曲中の名曲。
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