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GOBLIN - PHENOMENA (1997 edition)
a Dario Argento film - PHENOMENA
Phenomena Original Title
PHENOMENA
Japanese Title
フェノミナ
Artist
Various Artists
Release Year
1984
featuring
CLAUDIO SIMONETTI
IRON MAIDEN
GOBLIN
ANDI SEX GANG
BILL WYMAN AND TERRY TAYLOR
SIMON BOSWELL
Label(s)
Cinevox (Italy), Enigma (USA), Heavy Metal (UK), King (Japan), SLC (Japan)
Iron Maiden courtesy of EMI RECORDS (Side 1)
Bill Wyman courtesy of Ripple Music Ltd. (Side 2)
Soprano vocals: PINA MAGRI
Executive Producer: VINCENT MESSINA
Introduction
アルジェントが持ち前の嗜好性を炸裂させた野心作「フェノミナ」のサントラ。注目すべき点は、当代ならではのオムニバス形式のサントラにアルジェントが踏み切った事。基本的にはゴブリン系の楽曲が中心のスコアだが、一方、ボズウェル、ワイマン、アイアン・メイデンと云う挿入曲の顔ぶれは皆ブリテン系。そんなここでの伊英のコラボは、フィルムのマーケティングを見据えての格好の戦略だったようにも思える所。「華やかなヒット曲=メジャー映画の挿入曲」と云うイメージも確立しつつあった当時、「メタル系=ホラーの挿入曲」と云うコアなイメージを確立させたのは、他ならぬこの「フェノミナ」だった。
前作「シャドー」の印象にも近いシモネッティゴブリンのサウンドだが、生ソプラノをフロントに置いてのDMXとの二人羽織はかなりの異色度。ピニャテッリによる一人看板での仕事やシモネッティピニャテッリのコラボなど、かつてのバンドでは考えられなかったほどファジーな編成と化したゴブリンだが、この辺りは「ゴブリン」と云う看板効果への僅かでもの期待と云った所。ただ、周知の所だったシモネッティのポテンシャルはさて置き、奇しくもピニャテッリのポテンシャルを証明する形になった本作は、やはりバンドのファンにとっては極めて重要な作品。ピニャテッリと云えば、70年代から80年代に移り変わる時期の立役者だが、ここでの実力の証明は、過去数作品に対する地味な評価をも覆したはず。
公開当時の邦盤(本タイトル)は、本国チネヴォックス盤とは一部の内容が異なるが、その大きな違いは、モーターヘッドの"Locomotive"とフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド(FGTH)の"Two Tribes"が割愛(代わりに「パトリック」から2曲を追加)されていた事と、クランキーサウンドを楽しむエフェクト処理のトラックが追加されていた辺り。92年12月にリリースされた邦盤CD(SLC盤)では"Locomotive"も復活するが、FGTHの"Two Tribes"は割愛されたままだった。と云うより、米盤でも割愛されていたFGTHの"Two Tribes"(数多くのヴァージョンが存在)はそもそも劇中には登場しないナンバー。ちなみに、"Locomotive"が挿入されるのは、主人公の唯一の理解者だった昆虫学者マクレガー(ドナルド・プレゼンス)が搬送されるシーン。
フィルムのエンディングでは、"Valley Bolero (Bill Wyman and Terry Taylor)"と"The Insects (Fabio Pignatelli)"と云う2曲の未発表ナンバーもクレジットされているが、主人公のルームメイトとボーイフレンドの逢引のシーンで挿入される"Valley Bolero"については、何れのサントラも未収録。ピニャテッリのソロ名義でクレジットされる"The Insects"については、後年リリースされる完全版の11曲目のトラックの事を指しているのかも。ちなみにその"The Insects"は、クライマックスの舞台となる殺人鬼の家を映し出す僅かなカットで挿入される。
Track Listings
Side A
1. CRANKY SOUND I (EFFECT) クランキー・サウンド(I) 0:43

少女(アルジェントの娘フィオーレ)が犠牲になる冒頭シーンの音声トラック。その内容は、殺人鬼の足枷の音や少女の悲鳴。何故、収録されているのかと云えば、「頭内音声定位」を排除し、60cm~1mの360度広角での外部から聞こえるような感覚の「頭外音声定位」=クランキー・サウンドをヘッドフォンで楽しむ為。と云うか、隣近所にも聞こえるような大音量で楽しむ訳にもいかないこのトラック、ヘッドフォンで音楽鑑賞する事も滅多になかった個人的には、このトラックは常にパス。針を飛ばす必要を余儀なくされていたので少々ウザかった記憶も。まぁ、実際にヘッドフォンで聴いてみればかなり面白いんだけど。
2. PHENOMENA - CLAUDIO SIMONETTI (Simonetti) フェノミナのテーマ / クラウディオ・シモネッティ 4:25

ソプラノはピナ・マグリ女史。トレモロアームも印象的なギタリストは不明。CmとGmのみで構成される単刀直入なテーマも然る事ながら、DMXのイケイケリズムにソプラノをブレンドしてしまう辺りは、さすがオペラの本場ならではのマカロニ感覚。と云うか、それでもかなりカッコイイ。8小節1ルーティン(Ab/G/Ab/Bbのトライアドを2小節ずつ)×2コーラスのサビは、トップのAbを起点にする分散フレーズ(G,F,Eb,Db,Eb,F,Db)が落し所。ちなみに、前作「シャドー」のテーマで分散フレーズの起点だったのはボトムのノート。DMXビートとソプラノの融合もロックラ折衷と云ったこの曲、当初は困惑されながらも、最終的にはアルジェントの全面支持を得たらしいが、そんなアルジェントの心変わりと云うのも、一気にヒートアップする映像終盤のアナーキーな仕上がりに結果オーライと云った感覚だったのかも。
3. FLASH OF THE BLADE - IRON MAIDEN (Dickinson) 殺意の閃き / アイアン・メイデン 4:07

84年の大ヒットアルバム"Powerslave"挿入曲。当時の面子は、Bruce Dickinson(vo),Steve Harris(bass), Dave Murray (guitar), Adrian Smith (guitar), Nicko McBrain (drums)と云う5人。映画「フェノミナ」とアイアン・メイデンと云えば、個人的にはHR/HM版チャリティ企画"Hear'n Aid"を思い出す。85~86年当時のアイアン・メイデンと云えば、"Powerslave"の大ヒットでファン層の拡大にも成功、ある意味での絶頂期を迎えていた頃。ロニーの呼びかけで新旧さまざまな面々が顔を合わせた"Hear'n Aid"だが、中でも傑作だったのは、デイヴ・マーレイとエイドリアン・スミスのツインリード。スライドをする2人のアクションが、画面を二分割する同一人物のようにも見えたので。ライヴ映像でのクリップも懐かしいこの「殺意の閃き」、劇中では2番目の少女が犠牲になるシーンとヒロインが窮地に陥る終盤のシーンで登場。
4. JENNIFER - GOBLIN (Pignatelli) ジェニファー / ゴブリン 3:50

ゴブリンの看板を一人で背負うピニャテッリ渾身のバラード。6ピースの鍵盤パート(ストリングス、コードアルペジオ2色、リード、オブリガード、タップ・リヴァーブ処理の音色)とリズム・プログラム、生演のギターを一人で担うピニャテッリだが、そんな多重パフォーマンスのポテンシャルも然る事ながら、楽曲そのものと編曲センスがすこぶるグレート。シモネッティの独演ナンバーがフィルム上での実質的なテーマ曲だが、当初は、このジェニファーのテーマを第1テーマにするプランもあった模様。ピニャテッリのインタヴューによれば、ジェニファーのキャラクター性を掘り下げる事なく、ショッキングホラー路線に偏ってしまった映像には失望したとの事だが、ついては、このテーマ曲の挿入も局所的なものに。そんな映像との関係はさて置き、フツーに鑑賞してもかなりの聴き応えのこの曲、ピニャテッリのポテンシャルをまざまざと知らしめた事だけは確かな所。オブリガードを繰り返すフェイドアウトのエンディングの構成もかなりのセンス。
5. THE QUICK AND THE DEAD - ANDI SEX GANG (Boswell) ザ・クイック・アンド・ザ・デッド / アンディ・セックス・ギャング 3:32

アンディのソロ名義(正しくは"Andi Sex Gang"ではなく"Andi Sexgang")ながらも、このサウンドは正しく"Sex Gang Children"の面々(ヴォーカルのアンディ、ギターのTerry MacLeay、ベースのDave Roberts、タイコのRaymondo)によるもの。無機質なリフとポップなパートを織り交ぜるサウンドは、70-80年代アングラそのもの。この手の路線は、英米(アンディは英国人)のみならず日本にも多数のフォロワーが存在するが、ボズウェルが手掛けたここでの仕事は一味も二味も違う。その垢抜けたポップセンスは、百戦錬磨のボズウェルならではのポテンシャル。ちなみに、ここでのアンディの関与と云うのも、ボズウェルの紹介でアルジェントと面談したアンディの「サスペリアのファンです」と云う一言で実現したコラボだったとの事。
6. THE WIND - GOBLIN (Pignatelli) ザ・ウィンド / ゴブリン 1:20

ピナ・マグリ女史が再び登場。16刻みのシンドラとパーカッシヴなアクセントの終盤のリフは、テーマ曲"Phenomena"のクライマックスのパートを引き伸ばしたようなイメージ。劇中でも効果的な一曲。
7. CRANKY SOUND II (EFFECT) クランキー・サウンド(II) 0:44

お忍びで電話→血塗れの刑事と遭遇→死骸と蛆のプールに転落する主人公のシークエンスの音声を収録したトラック。
8. FOLLIE - GOBLIN (Marangolo-Pignatelli-Pennisi) フォリー / ゴブリン 3:47

モーターヘッドやFGTHの代用品として「パトリック」から借用された曲。フィルムとは無関係のトラックながらも、正直、マランゴーロのタイコが聴けるだけでもフツーに嬉しかった。「パトリック」の劇中では、主人公の敵役となる陰険な婦長の最期のシーンで挿入されるナンバー。16分割のトライアングルとディシプリン時代のクリムゾンみたいなギターリフ、ベースとタイコの劇的なアクセントが真骨頂の曲だが、楽曲自体はフツーの4/4。ここでのトライアングルのように耳に障るサウンドが特徴の「パトリック」だが、何れにせよ、アルバム「パトリック」の中で最もスリリングだったのがこの曲。
Side B
1. VELLEY - Bill Wyman and TERRY TAYLOR (Bill Wyman) バレー / ビル・ワイマン・アンド・テリー・テイラー 4:32

周知の通り、フィルムの冒頭を飾るのはこの曲。それにしても、クレジットの「ビル・ワイマン」なる人物があのワイマンだった事にはビックリ。70年代のソロワーク時代から繋がるギタリストのテリー・テイラーが共演者だった辺りも腑に落ちない。と云うのもヘンな表現なのかもしれないが、如何にもと云ったリヴァーブ全開のこの曲、牧歌的なリフと仰々しいリフが交錯する絵画的な曲だったので(笑) ちなみに、ワイマンも登場するビデオクリップには相方のテイラーは登場せず。
2. SLEEPWALKING - GOBLIN (Simonetti-Pignatelli) スリープウォーキング / ゴブリン 3:49

4つ打ちキック+16刻みの鋭角なリズムの上でAmとGのトライアドを延々繰り返すリフは、"Sleepwalking"と云うより、当代ならではのダンサンブルなビートでトランスしているようなイメージ。と云うか、クラフトワークの「ヨーロッパ急行」もユーロビートの走りだったと云う事で。全く関係のない所では、後年"NON HO SONNO"に収録される"Killer on the Train"も似たようなイメージなのかも。劇中では、あのゴブリン映像の直後のシーンで登場。
3. TRANSMUTE - GOBLIN (Marangolo-Pignatelli-Pennisi) トランスミュート / ゴブリン 2:26

フォリー」と同様、「パトリック」から借用された曲。7/4のエキゾチックなナンバー。ピニャテッリのスラップも印象的な曲だが、ここではリフレイン的な遊びは皆無。と云うより、サントラワークに徹する「パトリック」の収録曲は即興的なリフレインも皆無に近い。分散フレーズに終始する鍵盤はもとより、ペンニージのギターも1~2小節に1回の割合となるストロークのみ。マランゴーロもハットワークに専念(リム的なカウントはオーヴァーダブ)。と云うか、オカズはおろか一度でもタムを触ったら罰金取られそうな緊張感。
4. YOU DON'T KNOW ME - ANDI SEX GANG (Boswell) ユー・ドント・ノウ・ミー / アンディ・セックス・ギャング 2:39

重低音シンセとおどろおどろしいギター、呻き声のようなヴォーカルが織り成すフリーなナンバーのようにも思えるが、その実、ヒートアップするクライマックスに至るまではビートも歌詞も揃い踏みのスロービート曲。ボズウェルならではの垢抜けたアバンギャルド感覚が炸裂。フェアライトのようなオケヒットのサウンドも懐かしい。
5. JENNIFER'S FRIEND - GOBLIN (Simonetti-Pignatelli) ジェニファーの友人 / ゴブリン 3:28

3/8+5/8の循環拍子のイントロからフツーの4分割テーマに移行するギミック、2拍目裏のポリシンセがエキゾチックなナンバー。移調する終盤の展開もドラマティック。ピナ・マグリ女史が三度登場するナンバーながらも、劇中では使用されず。
6. THE MAGGOTS - SIMON BOSWELL (Boswell) うじだらけ / サイモン・ボズウェル 1:39

リヴァーブ処理されたモノフォニックなリフとストリングス系のリフ、奇妙な鳴き声で織り成される絵画的なナンバーながらも、これも「ユー・ドント・ノウ・ミー」と同様、列記としたビートナンバー。ただ、さすがにこれはボズウェルの1曲。劇中でもここ一番でのインパクトだった。
7. THE NAKED AND THE DEAD - ANDI SEX GANG (Boswell) ザ・ネイキッド・アンド・ザ・デッド / アンディ・セックス・ギャング 2:38

アンディのヴォーカルも若干フィーチャーされるが、基本的には"The Quick and the Dead"のテーマのパートをカラオケにしたようなナンバー。ただ、劇中で使用されるのはこちらの方。しかも、劇中で聴けるのは終盤のパートのみだったはず。
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