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GOBLIN - PROFONDO ROSSO (1996 edition)
a Dario Argento film - PROFONDO ROSSO
Profondo Rosso Original Title
PROFONDO ROSSO
Japanese Title
赤い深淵 (サスペリアPART2)
Artist
GOBLIN
Release Year
1975
Personnel
CLAUDIO SIMONETTI: Keyboards
MASSIMO MORANTE: Guitars
FABIO PIGNATELLI: El. Bass
WALTER MARTINO: Drums, Percussion
GIORGIO GASLINI : Composed, Orchestrated, Conducted on tr.6-7
ANTONIO MARANGOLO: Tenor Saxophone on tr.4
AGOSTINO MARANGOLO: Drums on tr.2
Label(s)
Cinevox, Vinyl Magic (Italy), Toshiba, King (Japan), etc
tecnico del suono: GIORGIO AGAZZI/ coord artistico: CARLO BIXIO
Orthophonic-Rome on the 11th/18th/21st, February 1975
Introduction
ゴブリンの名前をワールドワイドなものにした記念碑的な一枚。と云うより、世紀を越えた今なおもアクティヴな話題として取り上げられる「ゴブリン」と云うユニットの存続を決定付けた一枚。
アナログLPで云えばA面に当たる前半の3曲をゴブリン、B面に当たる後半の4曲をガスリーニが作曲、自作の前半3曲はもとよりガスリーニ作曲の「ワイルド・セッション」と「ディープ・シャドウズ」の演奏までをゴブリンが担当、残りの2曲はガスリーニ楽団のパフォーマンス。
そもそものバンドの関与は、英国で録音された"OLIVER"のリリース(結果的には、後年の新たな録音が陽の目を見る事に)に乗り出していたカルロ・ビクシオが、過去のサントラワークで繋がりのあったアルジェントとその相方のダリア・ニコロディにバンドのデモ演奏を紹介した事によるもの。従来の管弦オケスタイルとは異なるコンボスタイルのスコアでフィルムを装飾したかったアルジェントは、ガスリーニの作曲+ゴブリンのプレイと云う構想に辿り着くが、サントラプロジェクトの発足から2週間が経過した辺りでガスリーニと決別、既に録音済みだったガスリーニ楽団の「スクール・アット・ナイト」と「ジャンナ」、そして、ガスリーニが作曲した「ワイルド・セッション」と「ディープ・シャドウズ」は活かそうとするものの、肝心の骨子部分のスコアを急遽ゴブリンの面々に一任する。
シモネッティのワイン蔵で作曲されたと云うテーマ曲を始め、シモネッティの家を舞台に僅か3日間で練られたと云うオリジナル曲だが、その録音の方も、ローマのオートフォニックスタジオで75年2月11/18/21日と僅かに3日間の日程で仕上げられたものだった。アルバム/シングル共に15週間チャートの1位に君臨、延べ1年以上もトップ10にチャートインする中、90年代終盤までの売り上げも300万枚と云う快挙を成し遂げるテーマ曲だが、出たとこ勝負だった舞台裏の話などを耳にすれば、誰もが想定外だった快挙に最も驚いていたのも、他ならぬバンドの面々だったと云う逸話などにも肯ける。シモネッティの談話によれば、世界でも最高の売り上げを記録したのはここ日本だったとの事。そんな日本やカナダでの成功にも注目していたらしい。
ちなみに、著名な音楽家だったクラウディオの父親エンリコ・シモネッティの最大のヒットとなった映画スコア"GAMMA"は、ゴブリンの面々を演奏に迎えているが、本作のテーマ曲と"GAMMA"が75年のチャートを競い合っていたと云う逸話も有名な所。一部のサイトでは、4位の"GAMMA"と5位の"Profondo Rosso"が上下に並ぶ76年1月のチャートの記録なども公開されている。
ゾンビなどの20周年記念特別編集盤のインサーツ"The Hitcher's Guide to the Goblin Galaxy"によれば、"Two tracks have Agostino Marangolo on drums and Antonio Marangolo on keyboards"と云う記載でアントニオアゴスティーノマランゴーロ兄弟の関与が明らかにされているが、アゴスティーノ自身が監修するサイトhttp://www.baroneago.it/によれば、彼の関与も「死の滅亡」1曲だけと云う事で、そんな事実については何より現実のサウンドでも明らかな通り。兄アントニオの関与が「ワイルド・セッション」で客演するテナーだけだった事を考慮すれば、「アゴスティーノアントニオがペアで2曲に関与している」と云うニュアンスの英語文だったものではなく「2つのトラックではアゴスティーノアントニオがそれぞれに関与」と云うニュアンスだったと思える所。"Antonio Marangolo on keyboards"と云う記述も恐らくは、木管と鍵盤を間違えた単なる記載ミス。
Track Listings
1. PROFONDO ROSSO サスペリア2のテーマ (赤い深淵) (Simonetti-Morante-Pignatelli-Martino) 3:43

云わずと知れた大ヒットスコア。ガットG+チェレスタによるイ短調ダイアトニックの分散リフ、1万5千本のリードを備えた荘厳なチャーチ・オルガンとアグレッシヴなリズムが融合する1曲。スポットで登場するアナログリヴァーブ仕様のミニムーグも、ゴシック的な基本イメージの特異なアクセントに。ゴシックの様式美とシンプルさを売りにする永遠の名曲。この手のサウンドが欧州のポップチャートを席捲したと云うのも、「エクソシスト」で脚光を浴びたオールドフィールドのTBの余韻も覚めやらなかった当代ならではの事。ダイアトニックの分散リフが潜在的にある種のトレンドのように捉えられていた時代ならではの現象だった事にも違いはないが、それにしても、訴訟にまで発展すると云うのも如何なものか。この曲、全くのオリジナルなので。

この曲のモチーフは僅かに2つ。AAEAADAACAGBBF(7/4拍子。全て8分割)+AAEAADAACAGBBFCF(8/4拍子。全て8分割)と云う2小節でワンセットの全編の大半を占めるモチーフと、序盤と終盤に登場するAm/Em/D/E(4/4拍子。全て2分割でAをルートにするトライアド)の4小節をリピートする8小節のテーマだけ。ちなみに、チャーチオルガンのメロが登場する中盤のパートも、7/4拍子と8/4拍子でワンセットの最初のモチーフにメロ(ABGGbCD#E)を付けただけ。厳密に言えば、これら2つのモチーフをつなぐ3/4拍子3小節(F/C/F)のブリッジも登場するが、基本的には2つのモチーフだけで構築されたイ短調のシンプルな旋法だったと云う事。要は、このブルースよりもシンプルな旋法が訴訟問題になるとすれば、作曲は商売として成立しなくなると云う話。ちなみに、7/4拍子と8/4拍子がワンセットの全て8分割のモチーフも、"Tublar Bells"とは全くの別モノ。異なる系列の拍子を循環させる中でのアルペジオのアイディアが模倣だと騒がれた日には、これまた作曲ビジネスは成立しなくなる事に。後年、サスペリアの"Markos"でも似たような問題が起きているが、これってマジでつまらない話。と云うか、あまりに低次元。音楽には造詣も深くない民事関係者を交えての論争など全く想像出来ないが、何れにせよ、この"Profondo Rosso"と"Markos"の場合、問題視されたチネヴォックス側が逆に慰謝料取れるようなケースだったと云う話。
2. DEATH DIES 死の滅亡 (Simonetti-Morante-Pignatelli-Marangolo) 4:04

ハープシコードの第2音域E弦(時折Gも)をひたすら打ち鳴らすリフ、16刻みのハットワークやライドとのコンビがスリリングなナンバー。劇中でも幾度か登場するスコアだった事を考慮すれば、モードなソロを聴かせる訳でもない音階楽器のアプローチにも甘んじて肯ける。リリース当時は明かされる事もなかったマランゴーロの参加だが、タイトなチューニングのスネアやハットワークのシンコペアクセントなどを聴けば、「ローラー」のタイコの人だと云う事も明らかだった。75年冬の国内ツアーでもプレイされていた曲。
3. MAD PUPPET マッド・パペット (Simonetti-Morante-Pignatelli-Martino) 6:23

ここまでがゴブリンの作曲ナンバー。SE的なアプローチのミニムーグ、ティンパニとスネアをパラレルに収録するパーカスセクションもおどろおどろしいイントロながらも、その実、ドラをキッカケにする以降のテーマは、ホ長調の調性による3コードのみ(E7/A7/B7)でのバリバリのメジャーブルース。12小節で1コーラスのトラッドな形式ながらも、各小節を4倍のサイズでカウントする上に分散コードのリフのみが延々と続くサウンドは、鑑賞の喜びを満喫するにもほど遠い印象。ただ、これもまたスコアだったと云う事で。トータル3コーラスと云う構成だが、3コーラス目のハーモニー隊はドミナントモーションでカットアウト。1コーラス目のサブドミ4度7th(A7)に移行する部分からアルバムでは唯一となるハモンドも登場。
4. WILD SESSION ワイルド・セッション (G. Gaslini) 4:59

ここから2曲はガスリーニの作曲+ゴブリンの編曲と演奏。冒頭のノーメロ・スキャット+アナログシンセのSEは、本作録音直後に手掛けた「白鳥の殺意/チェリー・ファイヴ」でも登場。アコピのアルペジオに続くテーマ部分は、いわゆる「作曲」モノの痕跡も残されているが、終盤にまで至る残りの部分は、「ワイルド・セッション」と云うその名の通りの荒削りなジャムアンサンブルで、フィルムの方でも全く使用されていない。ジャムの開始後、微妙な迷いから噛み合えずにいるマルティーノピニャテッリが傑作だったりもするが、徐々にヒートアップする後半はフツーにイケてる。終盤に登場するテナーは、アゴスティーノの兄アントニオ。これで本テイクと云うのもおかしな気がするが、僅かに3日間だった録音日程では余裕がなかったのも当たり前。
5. DEEP SHADOWS ディープ・シャドウズ (G. Gaslini) 5:47

個人的にはテーマ曲や「死の滅亡」にも並ぶお気に入り。16刻みの3連シンコペのけたたましいタムのフィルイン(リムをかすめたりもするが)や、同じく16刻みの3連シンコペで「C」のシングルノート1発を鳴らしまくるベースとギターは、何気にメキシカンなフィーリングで笑えたりもするが、終始アグレッシヴなパフォーマンスは好感度も大きい。無機質なギターのリフやアナログリヴァーブ効果のミニムーグもメチャクチャカッコイイし。後年の「サスペリア」のサントラのようなド迫力のティンパニ、ワイヤブラシのスネア+アコピ+エレベのリフ、ライドに移るタイコを屋台骨にするセッションパート、タイコのソロからテーマ、ミニムーグをフィーチャーするスリリングなエンディングとアルバムでも最高のバラエティー度。リリース当時、個人的にはかなりの回数をリピート。フィルムでも2箇所で使用されている。
6. SCHOOL AT NIGHT スクール・アット・ナイト (G. Gaslini) 2:08

ゴブリンの電気サウンドから一変、ストリングスとハープの弦楽+木管による小ざっぱりとした編成にいきなり様変わりすると云うのもかなり新鮮。リリカルな美しさとミステリアスなイメージを寸鉄のサイズに纏め上げる楽曲はかなりの逸品。アカデミックな帰結部分も聞き逃せない所。ここから2曲はガスリーニガスリーニによる楽曲。と云うか、ガスリーニ楽団のプレイにはゴブリンは関与していないはずだが、冒頭と終盤に登場するムーグ系のサウンドはシモネッティじゃないのかな?まぁ、誰がムーグをプレイしてもいい訳だけど。
7. GIANNA ジャンナ (G. Gaslini) 1:52

フルートのテーマ(2コーラス目はペット)、倍テンの帰結パートも印象的な爽やかな小品だが、複合的な拍子割りをさり気なく織り込むアカデミックなアプローチは明らかに玄人の技。如何に知的な楽曲かと云う辺りについては、ヒアリングで採譜などするまでもなく、拍子をカウントするだけで良く判るはず。と云うか、サスペリアのリリース直後、西新宿でゲットした輸入盤を聴いていた当時は、明らかにスタイルの違うケツの2曲もゴブリンなのかなとか思ってましたけどね。フィルムの方では、ジャンナとマークの2ショットを中心にする未公開カット(後年の127分全長版)で登場。

Profondo Rosso (Backside Photo in 1975)
サスペリア」の大ヒットを記録した日本では、75年度製作の本編映画"PROFONDO ROSSO"が「サスペリアPART2」と勝手に銘打たれた事から、そのサントラも時同じくして陽の目を見ているが、実はこのサントラ作品が最初期に紹介されたのは「サスペリア」の大ヒット直後の事。オリジナルジャケット仕様(見開きではなかったが)での「赤い深淵」と云う邦題が銘打たれてのリリースだった(後年の「サスペリアPART2」サントラ盤のジャケデザインは、映画のカットが使用されていた)。

ちなみに、左記のオリジナル盤背面フォトには、アルバムには関与していないトニー・タルタリーニの姿も。フォトに映る面々は、左からタルタリーニピニャテッリモランテマルティーノシモネッティ。撮影はクラウディオ・ビアンキ(Claudio Bianchi)。コントラストが如何にもイタリア人らしい。
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