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FLEA (1972)
ETNA (1975)
FLEA ON THE HONEY Original Title
FLEA ON THE HONEY
Japanese Title
none
Artist
FLEA ON THE HONEY
Release Year
1971
Personnel
TONY (Antonio Marangolo): Lead Vocals, Flute, Harmonica, Piano, Organ
DUSTIN (Agostino Marangolo): Drums, Percussion, Guitar, Vocals
CHARLIE (Carlo Pennisi): Guitars, Percussion, Vocals
NIGEL (Elio Volpini): Bass, Acoustic Guitar, Vocals
Label(s)
Delta (Italy), Mellow (Italy)
Produced by Giosy Capuano
Arranged by Flea on the Honey and Giosy Capuano
Recording and Mixing Engineer: G. Rya (Gaetano Ria?)
Album Design: G. Capuano
Photos by R. Forlay
Artworks by Studio Two
Recorded at RCA studio "D" during April 1971
All tracks by H. Stott - M. Capuano - G. Capuano
Introduction
The correction of the description: Tony is reverse to Nigel. Left to Right: Carlo Pennisi, Antonio Marangolo, Elio Volpini Left to Right: Agostino Marangolo, Antonio Marangolo, Carlo Pennisi, Elio Volpini
後年、バリバリのインスト路線に転進する事を知っているが故に、トニー、ジャスティン、チャーリー、ナイジェルと云うファーストネームが立ち並ぶクレジットには爆笑させられるが、80-90年代ならまだしも、ラブ・サイケデリコが然るべく評価される昨今の日本などでは、このルックス&サウンドもフツーに受けるはず。やはり流行は繰り返すと云う事で。ちなみに、アゴスティーノ(a.k.a.ダスティン)のロン毛にブーツと云うファッションセンスは、76年の「ローラー」辺りまで引きずられてます。それにしても、ややこしいのはインサーツの写真。と云うのも、クレジット入りの写真(上左)ではトニーとナイジェルが恐らくは逆なので。ただこれも、アントニオのルックスを知るファンには今更と云った話だが、ちなみに、トニーがフルートを片手にする中、その背後にチャーリー(ギター)とナイジェル(ベース)を映し出すスタジオのショット(上中)でも誰が誰なのかは明らか。
また、巷ではナイジェルをピニャテッリとする説もあるようだが、恐らくはこれも間違い。ピニャテッリ自身の談話によれば、ピニャテッリがこのバンドにジョイントしたのは、69年当時から加入していた"Le rivelazioni"を脱退した直後の72年の暮れ。談話の中でも「既に2枚のアルバムをリリースしていたバンド」と他人行儀に語っているが、ついては、ナイジェルとピニャテッリも全くの別人。"Pignatelli"の頭文字をNに変えれば、確かに"Nigel"のようにも見えるニックネームだが、恐らくは、後年の"FLEA"や"ETNA"でもお馴染みのエリオ・ヴォルピーニ(Elio Volpini)がナイジェルその人。翌年、"Flea"のリリース後にヴォルピーニがバンドを離れるのも、あの"L'uovo di Colombo"を結成するため。そのトラとしてバンドにジョイントするピニャテッリだが、「シモネッティモランテの"OLIVER"から声が掛かる74年までジョイントしていた」というピニャテッリの談話を踏まえれば、75年の"ETNA"ではヴォルピーニに再び声が掛かると云う経緯にも頷ける。それにしても、インサーツ写真では最もクールなヴォルピーニのニックネームが、何気にアフリカンな「ナイジェル」と云うのも笑える所。
肝心のサウンドの方はかなりゴキゲンなポップスタイル。と云うか、表向きにはそんな印象ながらも、実は何れの楽曲もかなりドラマティックな構成。クオリティも非常に高い。長丁場の1曲目を除けば、平均3~4分に纏められてはいるが、山あり谷ありの内容でサクッとしたサイズと云うのも何気に凄い。サイケ文化が産み落としたアヴァンギャルドな垂れ流しビートなどとも全く違う。ただ、惜しむらくはポップ路線をマーケティングの看板にしていた事。全編が英語歌詞だった辺りを察すれば、英国での売出しにも息を巻いていたはずだが、実はポップ満開でもなくプログレでもないとなれば、当時のマーケットにそっぽを向けられたのも必然的な結果。インスト色に上質なポップ感覚も織り込んだ新手のバンドとしてアピールしていれば、恐らくは結果も変わっていたはず。
何れにせよ、ゴブリン関連では最古のアルバムがこの"FLEA ON THE HONEY"だった訳だが、ヴォルピーニを除くメンバー全員が後のバンドメンバーになる辺りは趣も深い所。何れにせよこのアルバムは、インスト路線のDNAを持つ連中のビート音楽が、カテゴリーを超越してしまった面白い1枚。70sの伊プログレと云えば、出色のヴォーカルユニゾンやスポット的なインストスキルに驚嘆できるバンドは数多く存在したものの、成熟したスキルを基盤に垢抜けたアンサンブルを披露していたバンドも実はごく僅か。その辺りにもカテゴライズ出来るこの作品、アートワークにも促されるようなポップな路線と云う先入観は捨て去って楽しみたい所。ちなみに全ての作曲は、H. StottM. CapuanoG. Capuanoの3人によるコラボ。
Flea on the Honey - inner photo

Left to Right: Carlo Pennisi (Charlie), Agostino Marangolo (Dustin), Antonio Marangolo (Tony), Elio Volpini (Nigel)
Track Listings
Side A
1. MOTHER MARY 7:20

メロウなヴォーカルパートに垢抜けたインストパートを挟む超劇的な1曲。アコギ+クワイヤ+エレピ+シンバルの絵画的なイントロから既に只者じゃないサウンドだが、アコピの残響をフランジャー処理したようなテーマパートでのエフェクトは、この手の路線ではかなり斬新。当時から既に垢抜けていた中盤のインストパートなどは、英米の同系バンドなどより全然アカデミック。タイコのパラディドルに入る直前のユニゾンなどビートバンドのそれじゃない。録音のクオリティを差し引いても、後年とは明らかに異なるアゴスティーノのチューニングも面白い。

何よりショッキングだったのは、鍵盤のアントニオがリードヴォーカルだった事。そのサウンドはもとより、鍵盤奏者が熱唱するステージの情景もバニラ・ファッジのような感じだったはず。それにしても、後年はバリバリインスト路線の木管の鉄人に転進するあのアントニオが、ロックバンドでリリカルな1曲を歌い上げると云うのも感動モノ。しかも全然イケてるし、フツー以上にカッコイイ。ピニャテッリのインタヴューによれば72-73年にはツアーにも出たとの事だが、その当時の映像や音は是が非でも聴いてみたい所。何れにせよこの曲、メチャクチャカッコイイ。
2. A WOMAN OF DISTINCTION 2:52

ミドルテンポのクールな8ビート。女性を特別な存在として歌い上げた1曲のようだが、"A woman of dinstinction ~"と熱唱するのもやはりアントニオと云う事で。と云うか、この曲では完全ヴォーカリスト状態。各コーラス最後のハーモニーパートもスキャットアンサンブルで纏める中、鍵盤の出番は一切なし。ヴォーカルパートではカウベル、各コーラスの最後のパートでは別のパーカスを叩くアントニオだが、そんなフォーメーションも他ならぬライヴを意識したもの。と云うか、この曲を引締めているのも他ならぬカウベル。アゴスティーノのタイコ+ペンニージのワウギター+ヴォルピーニのベースがブリブリ唸る各コーラスの最後のパートは聞き逃せない所。
3. KING'S THOUGHTS 3:36

バンドの懐の深さを証明する1曲。サザンロック的なギター弾き語りのイントロ、ゴスペル的なクワイヤパート、ジミヘンのようなギターからビートルズの「夢の人」のようなメロが飛び出す中盤のパート、パープル的なインストシャフルの終盤と、これで3分半なのかと云う感じ。それにしても、あのクワイヤは見事。実際にバンドのメンツだけで演っていたとすれば、ヴォーカルモノに手を出したくなる事にも頷ける。
4. LET THE FLAGS FLY HIGH 2:39

ハード系ではお馴染みのカデンツ状態のイントロだが、以降は、スリリングな8ビートのテーマからアフロリズムのサビ、劇的なクワイヤをフィーチャーする終盤のパートで1コーラスと云う内容。2コーラス繰り返した後、テーマのダルセーニョで終演と云う構成だが、このドラマティックな内容も僅か2分半の長さ。またもやヴォーカリスト専業状態のアントニオだが、ステージでのペンニージのソロの際にも、恐らくはクラヴィなどでのバッキングには回らないのかも。と云うか、やっぱりこのステージは見てみたい。
5. LOUISE (MY LITTLE SHIP) 2:44

牧歌的なバラード。エレキ+アコギ+ヴォーカル+クワイヤという布陣の中、終盤でコンガが加わると云うアコースティックな内容。クレジットによれば、ベース以外にもアコギをプレイするヴォルピーニだが、ついては、ヴォルピーニのアコギとペンニージのエレキによるツインスタイル。2本のギターのうち1本がエレキと云うのもチョット珍しいが、何れにせよこれは、アンプラグドなステージの中央に4人が座るようなお馴染みのパターン。コンガが加わる終盤ではストリングスのモノトーンも。
Side B
1. MOON PARK WOMAN 3:38

B面トップを飾るにも相応しいドラマティックでスリリングな1曲。ドローヴァーを効かせたオルガンのイントロ、2&4拍目裏アクセントの8ビートにスペースロック的ファンタスティックなヴォーカルユニゾンが入る冒頭パート、アフロなタイコによるスリリングなパート、いきなりシャフルのハットワークから4ビートに変化するインストパートと内容もてんこ盛り。アフロなタイコのパートでは若さゆえかモタついたりもしているが、3分半強のサイズにしてこの内容では文句の付けようもない所。後年のアゴスティーノの輪郭もハッキリ見える1曲。半端なチョーキングで幕を下ろすクロージングのアイディアも面白い。
2. FACE TO THE SUN 3:35

3連12割のブルージーな1曲だが、12小節1セットのモーションとは一線を画したオリジナルな内容。時折挿入されるペンニージヴォルピーニのユニゾンリフも面白い。と云うか、同系の楽曲を引き合いに出せば、凝りすぎた音列はこのメンツならでは。ギタリストではなく、ヴォルピーニのソロで締め括るエンディングもある意味異色。
3. HAPPY KILLER 3:53

新手の展開が続々登場するドラマティックな1曲。パープルのような出だしからビーチボーイズのようなクワイヤに移行するイントロ、ブラック・サバスとベガーズ・オペラを足して割ったようなリズムアレンジ+ハード系のシャウトヴォーカルとクリアなクワイヤをフィーチャーするテーマ、16分割のスリリングなヴォーカルパート、ペンニージをフィーチャーするインストパートなど、何れのパートも1度しか登場しないと云う怒涛の内容。"Happy Killer"と云う只者じゃないタイトルを連呼する終盤のパートが唯一、テーマのダルセーニョと云った感じ。このナンバーに限った事じゃないが、このバンド、かなりのリハを積んでいたのかなと。
4. DON'T YOU EVER FEEL GLAD 3:01

「ハンキー・ドリー」前後のボウイのイメージにリンクする序盤から、中盤以降はいきなり10ccの世界へ突入するバラエティ度。クワイヤのアレンジがそれぞれソックリ。と云うか、10ccがデビュー前だった事を考慮すれば、バンドのプロモーション失敗も悔やまれるばかり。ここでの上質なポップセンスは英国でも絶対にウケたはず。ボウイっぽいヴォーカルも垢抜けてるし。それにしても、あのアントニオがグラム系のポップ曲でヴォーカルってのも信じられない話。
5. THE NEXT ELECTION 4:25

人生のペーソスを謳い上げるかのような何気にへヴィーな1曲。ドラマティックな展開も影を潜めるアルバムでも珍しいナンバーだが、インストのスキルの高さを随所で披露する内容はクライマックスにも相応しい。何と言ってもその立役者は、フルートとアコピのアントニオ。後年の"ETNA"ではバリバリのモード感覚を披露するアントニオだが、そんな素養もこの当時にして完成されていたのかなと云う感じ。ちなみに、アントニオがフルートを握るのもアルバムではこの曲だけだが、イントロ、中盤(ギターとのユニゾン)、クライマックスとその聴き所も全編に網羅。ヴォーカルパートでのアコピのプレイもかなりイイ。インスト弾ける曲も少ない中、最後の最後で遂に来たと云う感じ。
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