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AGOSTINO MARANGOLO - Day by Day (2001)
MARANGOLO ETNOLOGY - AVANT LE DESERT Original Title
AVANT LE DESERT
Japanese Title
none
Artist
MARANGOLO ETNOLOGY
Release Year
2005
Personnel
ANTONIO MARANGOLO: sassofono
AGOSTINO MARANGOLO: batteria
LORENZO FELICIATI: basso
PIERPAOLO PRINCIPATO: tastiere
featuring:
MARCO RINALDUZZI: chitarre
ROCCO ZIFARELLI: chitarre
GIOVANNI IMPARATO: percussioni
MAX CARUSO: percussioni
GEGE TELESFORO: vocale (8)
Label(s)
I Piloti (Italy)
Introduction
アゴスティーノの1stソロ"DAY BY DAY"から4年ぶりにリリースされたマランゴーロ名義の1枚。兄弟名義でのリリースが遂に実現。70年代にまで遡れば、"FLEA ON THE HONEY"を皮切りに"FLEA", "ETNA"など双方がイーヴンな関係のアルバムも存在するが、いわゆるユニットではなくセルフ名義での兄弟中心のアルバムと云うのもこれが初。それぞれがセッションで多忙となれば、実現したのも奇跡のように思えるが、テクノロジーの進化でスタジオワークも激減する嘆かわしい現実の中ではある種の必然だったのかも。07年現在も同名の屋号で活動を続ける2人だが、このモノホンの灯火だけは消し去っては欲しくない所。この"Marangolo Etnology"と云う兄弟ユニット、幅広いプロモーションが実現すれば、世界中のインストファンを魅了出来るはず。
WRのフォロワー的なナンバーからグルーヴィな16ビート、スイングやボサのダンモな変奏までを網羅するアルバムだが、何より強烈だったのは、掴みの1曲目とクライマックスを締める10曲目を強烈なインパクトで纏める的を得たアルバムの構成。そんな最初と最後だけでは話にもならないが、バラエティ度100%の中身も充実しているとなれば、ほぼ完璧にも近い1枚だったと云う事。ちなみに、あのジェジェ・テレスフォロがスキャットで客演する8曲目も物凄い。そのインパクトは、アル・ジャロウの「スペイン」(RTFのカヴァー)にも匹敵。それにしてもここまで充実した内容の1枚が、既に入手不可能と云うのもありえない話。"Marangolo Etnology"のギグの記事は、イタリア本国の人気ジャズサイトでもビッグネームと並び当たり前のように扱われているが、その辺りを考慮しても、CDのサイト直販ぐらいには乗り出して欲しい所。
基本的には四重奏の"Marangolo Etnology"だが、アルバムでは、先のジェジェ・テレスフォロを始め、アゴスティーノの1stソロ"DAY BY DAY"でもお馴染みのロッコ・ジファレッリ(ギター)、ゴブリンアントネッロ・ヴェンディッティのアルバムでもお馴染みのマルコ・リナルドゥッチ(ギター)も客演。ちなみに、米国でも成功を収めたジェジェ・テレスフォロは、アゴスティーノを90年のセルフ名義アルバムでゲスト招聘したメジャーなアーティスト。ここで余談を一つ。周知の通り、75年の"ETNA"は、シチリア島のエトナ火山から引用されたユニット名だが、和訳すれば「民俗学」となるここでの"Etnology"と云うユニット名にもある種のシャレが含まれているのかも。
Track Listings
01. AVANT LE DESERT (Antonio Marangolo) 8:15

これは強烈な1曲。短絡的に和訳すれば「砂漠の前に」となるタイトルだが、これも恐らくは、砂漠化する以前はパラダイスだったと云うサハラ砂漠の事をイメージしたもの。サハラと云う具体的なロケーションについては、当地の公用語(仏語)で命名されたタイトルからも明らか。楽曲の方もそんなタイトルのイメージそのまま。ペーソスとダイナミズムが交差する内容はまさに鳥肌モノ。アラビア的な弦楽リフや砂漠の砂を踏みしめているかのような各種エフェクト処理など、具体的イメージを踏襲するサウンドも絶大な臨場感。荒涼としたヴィジュアルを目の当たりにしているかのよう。テナーとアコピのソロはあるものの、スローな同一のビートが延々と続く8分強と云う長丁場の1曲では、ここまでワクワクさせられるのも極めて稀。コーラス間の2箇所で登場するダイナミックなパートがとにかく物凄いインパクト。
02. YEZ (Antonio Marangolo - Agostino Marangolo) 4:51

WRのようなダンモな4ビート曲。ソプラノ+ポリシンセのユニゾンリフもショーター+ザヴィヌルの世界。エレベ、ソプラノ、鍵盤もそれぞれに出色のソロを披露。ちなみにWRの歴代のメンツに例えれば、アゴスティーノのタイコはまさしくハキム型。と云うより、出色のダイナミクスと抜群の切れ味は、あのハキムにも勝るとも劣らぬインパクト。これはアゴスティーノのポテンシャルを改めて見せ付ける貴重な1曲。とにかく抜群のセンス。
03. STAR (Antonio Marangolo) 5:54

16ビートスローのソプラノインスト。抑制された鋭角な16ビートのリズムセクションはWR的ではないものの、モード感覚バリバリの断片的なヴォイシングではやはりWRを連想。と云うよりこれは、WRの偉大な足跡を踏襲する完全オリジナルで良質なフォロワー。
04. ARTEMIDE (Antonio Marangolo) 4:15

ボサのエッセンスを取り入れたスリリングかつメロウなインスト。前曲に引き続きアントニオの独壇場。アントニオの作曲センスと個性が滲み出る1曲。
05. ALCANTARA MOOD (Antonio Marangolo - Agostino Marangolo) 5:13

アゴスティーノのソロで幕を開ける軽快な4ビートスイング。バリトン+鍵盤+エレベのユニゾンテーマとアゴスティーノのブラシワークが真骨頂の1曲。アヴァンギャルドなセンスのバリトンのソロも面白い。
06. BAGNO MEDUSA (Antonio Marangolo - Agostino Marangolo) 4:29

グルーヴィな16ビートシャフル。ギターのワウワウバッキングも登場。タイコがフツーのシャフルから3連のヴァリエーションに変化する中、センターCHに纏められていたリズムセクションを左右にパンするミキシングもかなり面白い。アントニオのハーモナイザー処理されたソプラノも今更ながらに斬新。
07. LE CHOIX (Antonio Marangolo - Agostino Marangolo) 4:36

ボサ感覚のミドルテンポ曲。序盤ではバリトンとテナーを持ち替える中、終盤ではソプラノに持ち替えるアントニオ独壇場の1曲。鍵盤のプリンチパートも流麗なソロを披露。ちなみに鍵盤ソロは2曲目以来。
08. RETURN TO NEVER (Antonio Marangolo - Agostino Marangolo) 3:54

ワイルドなリズム+モード感覚が昇華する出色の16ビート曲。客演のジェジェ・テレスフォロも強烈なスキャットを披露。モード感覚バリバリのユニゾンリフにも飛び入りするテレスフォロだが、これはあのアル・ジャロウの「スペイン」にも匹敵するパフォーマンス。プリンチパートの鍵盤ソロも最高潮にヒートアップ。これは絶大なインパクトの1曲。
09. PRIMA DI SERA (Pierpaolo Principato) 2:20

アルバムではプリンチパート唯一のオリジナル曲。ネイティヴ感覚の壮大な鍵盤インスト。これは最終トラック"5/4 di luna"のプロローグ的な1曲。情緒豊かなアコピの音色がクライマックスを締める中、間髪入れずに最終トラックへ突入する。
10. 5/4 DI LUNA (Antonio Marangolo - Agostino Marangolo) 4:35

タイトル通り、リリカルなメロとは裏腹の5/4拍子のポリリズムが炸裂するルナティックな1曲。4/4拍子16分割のアクセントに終始するタイコと5/4拍子アクセントのエレベによるポリリズムを貫く内容。論理的には単純な仕掛けながらも、バリトンのメロまでがポリ感覚のリズムに聴こえる楽曲は、ネタが判っていればこそ尚更ややこしい。4分割と5分割の公倍数も20拍刻みでスッキリ解決するために耳には優しいと云うオチだが、それにしてもやはり、バリトンのメロやリリカルなアコピのソロを素直に楽しむのも無理な話。と云うか、端からタイトルでも示されている通り、このギャップこそが他ならぬ作曲者の意図。それにしてもやってくれるなと云う感じ。いきなりヒートアップするクライマックスもべらぼうなインパクト。ポリリズムの呪縛も解ける中、5/4拍子が露骨に正体を現すクライマックスだが、これは映画に例えれば、悪が勝利を収める「悪魔の追跡」や「オーメン」のようなイメージ。動揺を覚えるほどのインパクトですしね。これは凄い1曲。
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