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Roller Original Title
ROLLER
Japanese Title
ローラー
Artist
GOBLIN
Release Year
1976
Personnel
CLAUDIO SIMONETTI: Organo Vzo Mascioni-Anno 1954, Honor Clavinet, Logan e Elka, Tastiere Violini, Organo, Piano, Minimoog
MASSIMO MORANTE: Chitarra Elettrica, Chitarra Acustica
FABIO PIGNATELLI: Basso Elettrico, Ripper
AGOSTINO MARANGOLO: Batteria, Percussioni
MAURIZIO GUARINI: Piano Fender Rhodes 88 & 73, Honer Pianet, Moog, Clarino, Piano
Label(s)
Cinevox (Italy), King (Japan), Attic (Canada), etc
Registrato allo Studio "Quattro 1" nei mesi di Settembre '75, marzo-aprile '76
Fonico: GIORGIO AGAZZI
Missato all'Orthophonic Studio: da PINO MASTROIANNI dal 3 al 10 Maggio 1976
Coordinatore artistico: CARLO BIXIO
Fotografie di FRANCO VITALE / Grafica: G.F.MARIGNANI
Introduction
"PROFONDO ROSSO"の大成功を経たバンドは、クラウディオの父エンリコのサポートの下、エンリコの大ヒットスコア"GAMMA"やチネヴォックスでの数多くのセッションワーク("AMORE LIBERO - Free Love", "LA PREDA", "GRAZIE NONNA!")、「殺意の動機」での覆面セッション("Il Reale Impero Britannico"名義)、数本のギグなどに携わるが、そんな中、劇場長編とは一線を画したパーマネントバンドとしての真価を問われるオリジナルアルバムとしてリリースしたのがこの「ローラー」だった。ちなみに、しばらくの間はバンドのトレンドにもなる「悪魔のヴァイオリン弾き」のロゴは、カルロ・ビクシオのデザインによるもの。
"PROFONDO ROSSO"の制作直後(と云うか途中)で脱退するマルティーノだが、実はその前後、セッションワークに明け暮れるシモネッティマルティーノの新たなユニット結成の話も浮上(ベースは、ステファーノ・チェリ "Stefano Cerri")、そんな中、シモネッティの代役としてバンドに加入したのがマウリツィオ・グアリニだった。シモネッティの談話によれば、鍵盤のスキルのみならずプログラムの分野でも「天才」だと云うグアリニは、当時のローマの電子楽器ミュージシャンが必ず通ったと云う"yuk"と呼ばれるマックのシーケンスプログラムを開発した人物(ただしこれは後年の話)。そんな人物を作曲/演奏の多方面で迎え入れた本作のサウンドは、ポテンシャルの幅も大いに広がりを見せているが、加えて大きな変化を与えていたと云えば、"PROFONDO ROSSO"の録音にも参加していたアゴスティーノ・マランゴーロが正式メンバーとして加入した事。地中海モードを駆使するインストバンド"ETNA"で同名傑作アルバムをリリースしたばかりだったマランゴーロは正しく旬のポテンシャルを披露している。
シモネッティの談話によれば、シモネッティモランテがクラシックとロックの融合を目指していた一方、R&Bや当時のファンクを好んでいたと云うピニャテッリマランゴーロだが、そんな異なる嗜好性がナチュラルに共存する形になったのが本作だったとの事。ただ何れにせよ、ビートロックの"FLEA ON THE HONEY"、表向きにはヘヴィー系の"FLEA"、硬派なインスト路線の"ETNA"などさまざまな畑でポテンシャルを証明していたマランゴーロの加入はあまりにも大きな出来事だった。
一説によれば、1万枚に止まったと云うアルバムの売り上げだが、前作"PROFONDO ROSSO"の売り上げがそもそも規格外だった事や、ロックバンドの居場所もなくなる当時のイタリア国内の不安定な情勢を踏まえれば、1万枚の売り上げでも大健闘だったと云えるはず。何より、全世界にまで蔓延したゴブリンフリークによる「傑作」の烙印の下、世紀を越えた現在までコンスタントなセールスを記録していると云う事実だけでもかなりの事件。欲を云えば、他の旧タイトルと同様、ボーナス入りのリマスターをリリースして欲しい所。どんな音源でも結構なので。
Track Listings
1. ROLLER ローラー (Morante-Simonetti) 4:39

"PROFONDO ROSSO"と酷似する曲と云う声なども多々耳にさせられたタイトルナンバーだが、6度(A#)だけナチュラルのEのフリジアン(Eのドリアン♭2とも解釈できるが)とフツーのフリジアンを14/8と15/8拍子(纏めてしまえば)で繰り返す分散リフは、Aマイナーのダイアトニック(Aのエオリア)一発の分散で勝負していた"PROFONDO ROSSO"とは何から何までもが別モノ。と云うか、分散リフでのアプローチに類似性は垣間見れるものの、エキゾチックな響きにコンセプトを置く演り手の意図も全く違う純粋な新作だったと云う話。西新宿でカナダ盤のLP(見開きジャケじゃなかった)をゲットした当時、これはかなりの衝撃だった。オリジナル版のジャケットが見開きだった事に気付いた後年には、別の意味での衝撃も受けたけど(笑)。ちなみに、アナログLPはもう手元には無い為にハッキリとは覚えていないが、カナダ盤のLPは、伊盤で云えば見開き右側のデザインをジャケット裏面に移動、イラストやロゴフォントなどはそのままでイタリア語の部分が英訳された手の込んだデザインだったような記憶も。スキルを披瀝するような事もなくエキゾチックでメロウに終始するナンバーながらも、それぞれの個性も寸鉄で炸裂。名曲中の名曲。
2. AQUAMAN アクアマン (Morante-Simonetti-Guarini) 5:21

タイトルもそのままのリリカルな序盤から爆発的に盛り上がる展開は、後年の「マークの幻想の旅」の2曲目「ヴィリディアナの滝」でも再現されているが、そんな両者が激突する78年のサンレモのライヴなどは何気に興味深い所。それにしても、このアルバム全体について云える事がミキシングのあまりの素晴らしさ。水の滴るSEやアコギのアルペジオなど繊細なトーンからダイナミックなパートの臨場感までとにかく抜群のバランス。70年代のイタリアンプログレでは、ここまで良好なミキシングチューンと云うのもかなり珍しい。切れ味鋭いマランゴーロのハットワークも際立つダイナミックなパートには鳥肌が立つ。
3. SNIP SNAP スニップ・スナップ (Morante-Simonetti-Pignatelli) 3:37

一連の談話によれば、ハンコックを始めとする70sファンクに傾倒していたと云うピニャテッリだが、クラヴィにポリリズムの16と来れば、このナンバーも他ならぬその路線。クレジットによれば、フェンダーローズを弾いているのはグアリニだけ。ついては、途中の粋なローズのソロも作曲には不参加のグアリニによるものと云う事だが、これがなかなか。3連でスケールを流したりもせず、8分割り中心の最低限の音数で勝負するソロの組み立ては、明らかに経験者のそれ。アドリブのお手本のようなアプローチ。ミニムーグのリヴァーブ処理も抜群。78年のサンレモでも2曲目でプレイされていたナンバー。
4. IL RISVEGLIO DEL SERPENTE 蛇の目覚め (Simonetti) 3:28

アコピのシモネッティとアコギのモランテ、残響処理も素晴らしいマランゴーロのトリオのプレイが大半を占めるリリカルな名曲。シモネッティが6連で駆け上がるパートの直後でさり気なく聞こえる低音域のストリング音は、モランテのアコギによるもの。周知の通り、後年のアルバムでは元々がギタリストのピニャテッリも多々アコギを披露しているが、このアルバムではピニャテッリのアコギでの登板は無し。この曲ではベースでの登板も無いピニャテッリだが、もう一人のメンツのグアリニは、終盤のクラリネットのソロで登場。と云うか、クレジットでは「クラリーノ」をプレイするはずのグアリニだが、これって高音域の「クラリーノ」じゃない。と云うか、イタリアの場合、木管のカテゴリーが標準の音域とは異なるので、このクラを指して「クラリーノ」と呼んでいるのかも。そういえばこの曲は、スタジオ盤が完成する以前の75年の冬のツアーでもプレイされていたナンバー。最後に登場する大歓声のSEは、75年冬のステージを体験していたファンに向けられたサービスだったのかも。覚えてる?みたいな。
5. GOBLIN ゴブリン (Morante-Pignatelli-Guarini) 11:10

シモネッティが作曲に不参加と云うのも何気に微妙なバンドのタイトルチューンだが、10分超の長丁場ながらも終わって欲しくないとさえ思わされるアルバムの超目玉。ミキシングの良さも相俟って、大音量で聴いたある日にはトランスしたような記憶も。劇的なイントロからダイナミックなインストにペーソスたっぷりのテーマリフが融合、16分割での3連シンコペのフレーズで幕を開けるモランテの怒涛のソロ、長丁場となる哀愁の間奏モチーフを経て、16分割での3連シンコペのギターリフも効果抜群の切れ味鋭いダイナミックなパートが再開、マランゴーロのタイコのソロ(これもまた16分割での3連シンコペのスネア中心のコンビ)を経てテーマに帰結。そんな至れり尽くせりのドラマティックな楽曲は、小僧っ子のようなヴァイオリン弾きの悪魔の事を謳い上げているようにも思えないが、何れにせよ、プレイからミキシングまでをここまでの完成度で聴かせるナンバーが70年代のイタリアから輩出されていた事には今もなお驚嘆。この曲も75年の冬のツアーの音源で聴く事が可能。
6. DR. FRANKENSTEIN ドクター・フランケンシュタイン (Morante-Simonetti-Pignatelli-Guarini) 5:52

フランケンシュタイン博士のラボのイメージもそのままのスローな4/4の前半から、倍テンポでの2拍3連に移行する仕掛けが売りのナンバー。前半の主役はフランジャー+ワウがかったエレベのピニャテッリモランテの倍テン2拍3連のキッカケとなる3連ピッキングやアンニュイなムーグのフレーズなどを聴けば、こちらの方が小悪魔「ゴブリン」と云うイメージなのかも。ELPの「悪の経典/第2印象」を髣髴とさせるSDっぽいパーカッシヴなシンセサウンドもゴキゲン。それにしても、マランゴーロのタイコは何処から切っても村正の切れ味。
Roller  - inner photo
左の画像は、ジャケットでも御馴染みのインナーフォト。アナログ盤も手元になく旧版の国内CDのみの所有の為にモノクロ写真だが、このフォトには特別な思い入れが。と云うのも、本作「ローラー」のイタリア盤LPを入手する以前の所有アイテムと云えば「サスペリア」と「赤い深淵」のLPのみ。そんな2枚のLPに載せられていた写真では誰が誰だか分からなかったが、本作「ローラー」ではアイデンティティがバッチリと公開されていた。それ以前と云えば、「サスペリア」のインナーフォトを見てヒゲ面のシモネッティがタイコの人などと勝手に勘違いしていたりもしたが、何れにせよ、誰が誰なのかと云うイメージさえ確立すれば作品鑑賞のイマジネーションも全然違う。個人的には「サスペリア」のB面を2枚分磨り減らすほどのフリークだったが、そんな憧れのアーティストの正体を暴露するジャケットを譜面立てに乗せながらピアノを弾いていた頃が本当に懐かしい。使用鍵盤楽器なんかも全部載ってましたしね。
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