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Volo Original Title
VOLO
Japanese Title
none
Artist
GOBLIN
Release Year
1982
Personnel
MAURIZIO GUARINI: tastiere e cori
MAURO LUSINI: voce
FABIO PIGNATELLI: basso
MARCO RINALDUZZI: chitarre e cori
DEREK WILSON: batteria
feauring;
MAURIZIO GIAMMARCO: sax tenore e alto
GIANNI MEZZA: pianoforte su "Fortuna" e "Agrodolce"
ANTONIO MARANGOLO: sax su "Est"
TONY ESPOSITO: percussioni
MARIO DI STASO: percussioni
WALTER MARTINO: percussioni
MAURO CHIARI: cori
DOUGLAS MEAKIN: cori
CLAUDIO PIZZALE: cori
SIMONA PIRONE: voce su "Fortuna"
Label(s)
Cinevox (Italy)
Musica dei Goblin
Testi di Cinzia Cavalieri
Registrato da Gaetano Ria / Trafalgar Recording Studio - Roma
Missato da Fabio Pignatelli (B2: missato da Gaetano Ria)
Introduction
サントラとは一線を画したオリジナルコンセプトのアルバムとしては「マークの幻想の旅」以来の3作目だが、往年の面子はピニャテッリグアリニ、1曲だけ参加のアントニオだけ。ギター、鍵盤、タイコ、ヴォーカルと新たな面子がジョイントする中、その内容も従来のイメージとはかけ離れたポップな曲がズラリと並ぶ。希少なオリジナルアルバムにも拘らずCD化される気配も皆無の作品だが、個人的にはそんな状況も信じられず。と云うのも、これは一から十までどこを取っても一級品の内容。洗練されたアレンジやプレイのクオリティはもとより、粒揃いの楽曲がズラリと並ぶ内容は、英米アーティストの作品とは一線を画した個性と充実度。リリース当時の巷でのリアクションなど全く知らないが、モノホン志向のファンには大喝采を浴びていたはず。
サンレモにエントリーしながらも、結果的には落選した当時のメンツだが、そんなエピソードから伺えるのも、寄せ集めのメンバーで録音した気まぐれなアルバムではなかったと云う事。サンレモの選考委員が何を基準にしていたのかは判らないが、何れにせよ、このアルバムが埋もれたままと云うのもあまりに勿体無い話。プロフェッショナルな本質部分も然る事ながら、味のある楽曲は何度聴いても飽きる事がない。最終トラックの"EST"を除けば全編イタリア語のヴォーカルアルバムだが、個人的には英語以外のポップアルバムの中でも勝手にベストワン。と云うより、英米のポップな名盤を引き合いに出しても引けはとらず。とにかくイイ。ちなみに、作詞を手掛けたチンツィア・カヴァリエーリ(Cinzia Cavalieri)は、後にグアリニの奥さんになる女性。
マウリツィオ・ジャンマルコの木管も最大の聴き所。ジャンマルコと云えば、ゴブリンファンにはお馴染みのジョルジョ・ガスリーニはもとより、チェット・ベイカー、シモネッティの"X-TERROR FILES"("Gamma"のカヴァー)、そして"PERIGEO"や"NEW PERIGEO - Effetto Amore"でもお馴染みのズージャ畑の人。ピニャテッリグアリニルジーニリナルドゥッツィウィルソンと云う中心クインテットに客演として参加するジャンマルコだが、その垢抜けたプレイがアルバムのグレードを引き上げていたのは云うまでもない所。ポップなアルバムではギターや鍵盤が花形ソリストだが、ここでのA面およびB面トップでフィーチャーされるのはジャンマルコのソロ。呼んだ側のリスペクト度も伺える。
そんなサックスのジャンマルコを始め、パーカスセクションでは草創メンバーのマルティーノトニー・エスポジート、アコピのジャンニ・メッツァ、最終トラック"EST"で登場するアントニオなどゲスト陣も何気に華やか。メンズトリオ編成による絶妙なコーラスアレンジを聞けば、頭数だけのクレジットではなかった事も歴然。出色のポップナンバーが軒を連ねる中、締め括りはやはり硬派なインストだったりするが、この辺りの拘りもファンにとっては嬉しい所。リナルドゥッツィのギターも全編通じてかなりイイ。それにしても、この作品がアナログリリース止まりと云うのも信じ難い話。洗練されたポップセンスと出色のインストが昇華するアルバムなんてそうザラにはないぞ。
Track Listings
Side One
1. POLVERE BLU 4:55

軽快な8ビートのポップチューン。アンニュイな音色のシンセのオブリガードは、当代ならではUSポップなサウンド。シングル盤"Volo"にカップリング収録された事にも頷けるキャッチャーなナンバーだが、何よりジャンマルコのソロがイイ。ズージャ畑のプレイヤーが8ビートに戸惑っているようなソロだが、きちんと帳尻合わせ出来る所はさすが。と云うより、熟練度も一発で判る垢抜けたアルトのソロがアルバムトップで聴ける辺りは意外性も充分。
2. FORTUNA 4:36

客演のシモーナ・ピローネ嬢のヴォーカルをフィーチャーしたメロウでペーソスたっぷりのポップ曲。洗練されたバランスのコーラスもかなり効いているが、インストパートのここでの主役はリナルドゥッツィのギター。乾いた音色のバッキングは前曲に同じだが、ハーモナイズ処理されたディストーションサウンドは、80年代のギターインスト系のファンなら感涙モノ。リトナーのヴォーカルナンバーを聴いているような感じ。
3. GIORNATA ISTERICA 4:22

ヒステリックな1日の情景をドラマティックに歌い上げるポップ曲。8分刻みでパンするイントロのパーカス、コーラス全開のピニャテッリのフレットレス、リナルドゥッツィの垢抜けたギター、スポットで顔を出すグアリニのオブリガードなど、どれを取り上げてもプロフェッショナルなパフォーマンス。ドラマティックな楽曲も文句なしに良いが、中でも8小節程度のリナルドゥッツィのソロのパートは聴きモノ。グアリニの垢抜けたプレイもスポットで満喫できる。
4. AGRODOLCE 4:10

伊ポップならではのフィーリングで人生のワビサビを歌う1曲。疲れ切った男が背中を丸めて歩いているような4分刻みのポリシンセも面白いが、ドラマティックな楽曲にはとにかく終始引き込まれる。ピニャテッリのフレットレスも絶品。と云うよりこの曲、ピニャテッリなくしては語れない。英米のポップ曲とは一線を画したコーラスにも鳥肌が立つ。グアリニのソロも登場。
Side Two
1. ARMONIA 4:08

アルバムを通して唯一のシャフル曲。楽曲のドラマティック度は相変わらず。拍子たっぷりにアーティキュレイトするアコピ(電気グランドかも)のプレイが印象的。A面トップに続いて登場するジャンマルコのソロはアルバムでもハイライトの一つ。と云うより、テーマとは別枠でのソロの為の独自の調性パートを用意する編曲センスも凄い。ソロの最中で披露されるピニャテッリのスラップも聴き所の一つ。上質なポップ感覚とインストの面白みが同時に堪能出来るナンバー。
2. VOLO 4:51

アルバム中では最速テンポの8ビートポップ。作詞にはグアリニ夫人も参加。イタリアの人気TV番組"Discoring"のテーマ曲として4ヶ月使用されたナンバー。TV放映仕様のイントロ部分が微妙に違うシングル盤も存在。アルバムでは最も米国的なナンバーだが、グアリニのプロフェット(だと思う)を1コーラス目のソロでフィーチャーする辺りでは個性もキラリ。ちなみに2コーラス目のソロはギターと木管の掛け合い。さりげなく凄いプレイはポップ路線の域もサクッと超越。
3. PUNTO DI ROTTURA 5:11

このタイトル、翻訳すれば「綻び」と云った所なのだろうか。そんなペーソスにも満ちているようなドラマティックな1曲。ドゥービーのLTRのようなイントロ、キックとフレットレスのコンビプレイが炸裂するテーマ、抑制された印象のサビなど硬派なイメージが全編を貫くナンバーだが、この曲、アルバムを通してみればかなり印象的。ジャンマルコのテナーソロも出色。興味深かったのは、1コーラス目テーマの最後の小節。プログラミングされたようなモノシンセに同期するかのようにタイコのオカズがやや走る1コーラス目テーマの最後だが、実用的なシーケンサーも未開発だった中、シーケンサーは使用していないというグアリニのコメントを真に受ければ、その原因は謎のまま。
4. EST 4:08

「ヘヴィー・ウェザー」リリース当時のWRにインスパイアされた事も明らかなアルバムでも唯一のインスト曲。翌年、ゴブリンがサントラを手掛けるTVドラマ「スパイコネクション」にも収録されるナンバーだが、オリジナルのこちらと後年のパフォーマンスは全くの別モノ。プロフェットの2ndメロ(こちらの方がマイルドな音色)やフレットレス+テナーのユニゾンテーマなどザヴィヌル+ジャコ+ショーターを意識する基本スタンスは同じだが、ピニャテッリのソロを劇的にフィーチャーするこちらの方がWRへの感染度は高い。ポリシンセのコードワークやパーカスの味付けなどもそのまんまのイメージ。

フィルムを意識するリリカルなパートが追加された「スパイコネクション」のヴァージョンも捨て難いが、観賞用の楽曲としての完成度はこちらの方に歩があるような気も。ちなみに、ピニャテッリグアリニ、そしてこのアルバムでは客演として唯一の参加となった木管のアントニオは、双方のヴァージョンでプレイ。後年はアカデミックなアルバムを連発するアントニオだが、そんな片鱗を伺わせるここでのプレイは正に絶品。懐が深く奥行きがある。
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